地域情報ブログ

三重企業2025.03.28

【企業特集】日本でも数少ない製缶用機械メーカー「株式会社NPW技研」をご紹介します

こんにちは。リージョナルキャリア三重のコンサルタント、三田 佳奈子です。

今回は、三重県伊勢市に本社を置く「株式会社NPW技研」をご紹介します。

株式会社NPW技研について

株式会社NPW技研は1982年に設立され、日本でも数少ない製缶用機械や各種産業機械の設計・製作を手掛けるニッチトップメーカーです。国内競合他社が少ないため、お客様からの共同開発の依頼も多く、大手企業から開発要請を受けています。

これまで年間売上が8億円程度でしたが、ここ数年は大型案件も多く、10億円を超えることもあります。特に、海外製が主流である溶接機は、国産でできるならぜひ、とお客様からのお声がけもあり、溶接機は新規・買替えともにシェアは70%以上となっています。

缶は鉄を素材とする製品なので、光を通さず、丈夫で、密閉性に優れた容器です。そして、鉄は地球からの産物であり、リサイクル率が常に90%以上の地球環境にやさしい素材です。鉄を素材とする製品は今後も人類と地球にとってなくてはならないものと考えられ、今後もますます需要が高くなることでしょう。

■株式会社NPW技研

 本社工場:三重県伊勢市佐八町894
 小俣工場:三重県伊勢市小俣町宮前10-1
 設立:1982年11月
 事業内容:製缶用機械・各種産業機械の設計・製作及び付帯関連事業
 資本金:4,400万円
 社員数:23名(2025年3月現在)

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▲同社の製缶用設備で作られた容器の一部(※掲載写真は同社提供)

同社の3つの強み

同社には主に3つの大きな強みがあり、製缶機械業界で独自のポジションを築いています。

1. ワイヤーシーム溶接技術の独自性と特許取得

ワイヤーシーム溶接技術に関して、日本、アメリカ、ヨーロッパ、韓国で特許を取得しています。この技術は、TIG溶接やレーザー溶接と比較して溶接速度が速く、生産効率を向上させることができます。また、材料を完全に溶かさない圧接法を採用しているため、母材の硬度を変化させず、溶接後の製品の二次加工に優位性があります。

2. 国内トップシェアと安定した経営基盤

スチール缶というニッチな市場において、全国の大手企業と強固な信頼関係を築き、国内トップシェアを誇り、非常に安定した経営基盤を有しています。

3. 海外展開とグローバルな技術供与

2004年に中国に100%出資の子会社を設立して、高品質に価格競争力を加えた製品を中国から海外市場にも展開しています。また、ワイヤーシーム溶接機の生産技術をグローバルに技術供与しています。

製造プロセス

同社は「お客様のニーズを形(機械)にする」を基本理念として、1品1品をお客様の要望に合わせて、提案から、設計、製造、据え付けまでを一貫して行っています。


1. 設計


お客様の要望や仕様に基づいて機械の設計図を作成します。この段階では、機械の機能性、安全性、効率性などが考慮されます。

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2. 部品加工


機械部品はほとんどが品質精度の高い外注加工業者によって製作されますが、中核技術である溶接機に使用する重要部品は社内で製作します(高精度なNC旋盤で製作)。

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3. 組立


組み立てた機械の動作確認を行います。必要に応じて、微調整や修正が加えられます。また、品質検査を実施し、設計時の基準を満たしているかを確認します。

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4. 調整・検査


組み立てた機械の動作確認を行います。必要に応じて、微調整や修正が加えられます。また、品質検査を実施し、設計時の基準を満たしているかを確認します。

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5. 出荷・据え付け


組み立てた機械を運搬できるサイズにまで解体し、お客様先へ出荷します。自社から現地へ出向いて、再び組み立てて据え付け、稼働確認を行います。必要に応じて、操作説明やメンテナンス指導を実施しています。

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新工場にお邪魔しました

このたび、同社が今年2月に同市内に新設した新工場にお邪魔しました。

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オーダーメイドで製作したオリジナル溶接機に自分たちで命名

同社で製造された溶接機には、モデルごとにさまざまな鳥の名前が付けられています。

なぜ鳥の名前を付けるようになったのか?そのルーツは、創業者の山本幸雄氏が最初のオリジナル溶接機に「PHONEX(不死鳥)」と名付けたことにあるそう。なぜ鳥の名前(実在しない鳥ですが)を付けたのか、その理由ははっきり分からないようですが、その時代の人は不死鳥に神秘的な魅力をもっていたのかもしれません。

その後、南アフリカのモーリシャス島で製缶工場を建設するプロジェクトが始動。大手商社と島を訪れた際、そこに生息していたDODO(ドードー)という飛べない鳥に興味持って、2台目に開発した溶接機に名付けたそうです。1台目は現実に存在しない鳥、2台目は絶滅した鳥の名前を付けたので、3台目以降も鳥の名前を付けていくことになったとか。

FALCON、WOODPECKER、SWAN、LARK、CHICKなど、次々と創業者はその機械に相応しい名前を直観で付けられたのですね。その流れは継承して、新機種には社員みんなで鳥の名前を考えているそうですよ。自分たちが苦労して作った溶接機に命名できるなんて素敵ですね。

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▲18L缶用溶接機(LARK)

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▲大型丸形スチール容器用溶接機(TURKEY)

社長から一言!

このたびの取材で、社長の山本氏にお話を伺うことができました。

「NPW技研は、前身である製缶会社の技術部が独立して誕生しました。製缶会社は伊勢の地で明治32年(1899年)より缶をつくり始め、その頃から数えると缶に携わって126年の歴史があります。鉄に携わる仕事は100年前から続き、今後100年先も必要とされる仕事であると、NPW技研の創業者である父がよく話してくれた言葉です。
鉄鋼業界においてNPW技研が存続しなければならない会社であることを、今、私も深く理解し、次の世代への継承を使命と感じております。
いま流行りの仕事ではないけれど、いつの時代も必要とされてきた製品をつくる仕事は、次の世代にも残すべき、やり甲斐のある仕事であると、私は誇りを持って続けていきたいと思っております。」

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▲株式会社NPW技研 代表取締役社長 山本亮太氏

株式会社NPWの求人情報

以下に同社の求人の一例をご紹介しますので、ご興味のある方はぜひチェックしてみてください。

|電気技術者

<勤務地>三重県伊勢市

<主な職務内容>自動機械のシーケンスソフト製作など

<求人詳細> https://rs-mie.net/job/detail/11/4984

|機械設計(幹部候補)

<勤務地>三重県伊勢市

<主な職務内容>金属容器(スチール缶)を製造する装置・設備の設計

<求人詳細> https://rs-mie.net/job/detail/11/4441

※こちらは2025年3月28日時点の求人情報です。ご覧のタイミングによっては募集(掲載)が終了している場合もございますので、あらかじめご了承ください。

最後までご覧くださりありがとうございました。

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