地域情報ブログ

福岡その他2022.11.27

【福岡散策ルポ】うどん・そば・饅頭・博多山笠発祥の地、「承天寺」をぶらり

リージョナルキャリア福岡のコンサルタント、植田です。今回も福岡の街中から散策ルポをお届けしたいと思います。

博多口を出て大博通りを祇園あたりまで歩くと、『承天寺』という禅寺があります。初めて行ったのですが、見どころ満載でとてもいいところでしたので、浅知恵ですがご紹介したいと思います。

承天寺の門.png
承天寺の説明.png
山笠発祥の地.png

承天寺は1242年に祇園山笠の創始者といわれる臨済宗の僧、聖一国師(しょういちこくし)によって開山されました。

門をくぐるときれいな紅葉が出迎えてくれます。

承天寺の門を入ったところ.png

右手には鐘楼、左奥を少し進むとお堂が見えてきます。

承天寺の鐘楼.png
承天寺のお堂.png

お堂のそばには古い錨が。昔はこれを沈めて船を固定していたようです。また、お堂の横には山笠の綺麗な切り絵が飾ってあります。

承天寺の古い錨.png
承天寺の山笠の切り絵.png

お堂の先を歩くと、承天寺通りを横切り、3つの碑(いしぶみ)が並ぶ場所へ。それぞれ『饂飩蕎麦発祥之地』、『御饅頭所』、『満田弥三右衛門の碑』と刻まれています。

承天寺の碑 (1).png
承天寺の碑 (2).png
承天寺の碑 (3).png
承天寺の碑 (4).png

説明文にはそれぞれ以下のように書かれています。

饂飩蕎麦発祥之地の碑.png

饂飩・蕎麦発祥之地の碑

仁治2年(1241年)、中国の宋より帰国した聖一国師は、羹、饅、麺の製法とともに、製粉技術も日本に持ち帰りました。羹は羊羹、饅は饅頭、麺は饂飩・蕎麦等を指しますが、聖一国師により伝えられた製法・製粉技術のおかげで、日本の粉食文化が大きく発展したことは言うまでもありません。この碑は、博多の地における聖一国師の偉業を後世へと伝えるものです。

御饅頭所の碑.png

御饅頭所の碑

仁治2年(1241年)、中国の宋より帰国した聖一国師が、ある日、禅の布教に出向いた先でとある茶店に立ち寄ったところ、茶店の主人に心づくしの歓待を受けました。それに喜んだ聖一国師は、南宋から持ち帰った饅頭の製法を教え、「御慢頭所」の看板まで書き与えました。これにより、博多の地が饅頭発祥の地とされています。看板は現存し、東京の「虎屋 」が所蔵。その古い複製が博多松屋に伝えられています。

満田彌三右衛門の碑.png

満田彌三右衛門の碑

鎌倉時代の嘉禎元年(1235年)、聖一国師とともに中国・宋に渡った彌三右衛門は、6年後の仁治2年(1241年)、織物・じゃこう・素麺・箔・朱の製法を日本に持ち帰りました。これらの製法は博多の人々に広く伝えられましたが、その中の織物技術のみ家伝とされ、その後、独自の技法を加えながら現代に伝わっているのが「博多織」です。この名称は、江戸時代の福岡藩初代藩主・黒田長政が、幕府への献上品としたことから、『献上・博多織』と呼ばれるようになりました。

ちなみに、現在は車が通ることができない承天寺通り。お庭にある綺麗な遊歩道のイメージですが、こうなるまでにはこんな歴史があります。

かつては承天寺を分断するように車道が敷設されていましたが、博多の歴史的に重要なこの一角を保全しようと再整備を行い、それに合わせて『博多千年門』が建立されました。

この門には太宰府天満宮の樹齢千年と言われる楠を用い、また門の表には菅原道真の子孫が筆で書いた「博多千年」の額が掲げられています。

博多千年の門.png
博多千年の書.png

それから、饂飩・蕎麦・饅頭発祥の碑の奥には珍しい枯山水があるのですが、今回はちょうど法要が営まれており、見学は叶いませんでした。

※普段はガイドさんに頼めば少し見学できるそうです。

枯山水の庭は『洗涛庭』といい、向かって右手のお堂は日本を、左手の庭は中国を、砂の荒々しい波模様は玄界灘を表しているといいます。

承天寺の枯山水 (1).png
承天寺の枯山水 (2).png
承天寺の枯山水 (3).png

歴史があまり得意ではない私には、脳のキャパシティがオーバーしそうでしたが(笑)、いろいろなもののルーツに触れることができ、とても興味深いスポットでした!

それでは今回はこのあたりで(^^)

この記事を書いた人

コンサルタント 
植田 将嗣

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