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西鉄らしい「情の厚さ」が、長期ビジョンを成功へと導く。

西日本鉄道株式会社
人事部長 吉田 哲治

福岡 更新日:2023年9月20日

1969年、福岡県出身。1992年、西日本鉄道株式会社入社。西鉄バス北九州株式会社への出向を経て2008年に帰任。以降、人事部労務課 課長、国際物流事業本部業務部総務課 課長(次長待遇)、東京事務所 所長(部長待遇)などを歴任し、2019年4月には株式会社ニモカの代表取締役社長を兼務。2020年4月より人事部 部長に就任し現在に至る。
※所属や役職、記事内の内容は取材時点のものです。

2035年に「居心地よい幸福感あふれる社会」をつくるために。

前回のインタビューの際(編集部注:2022年3月、ページ下部『関連インタビュー』参照)、まだ新型コロナ禍の影響下にあり、事業環境の変化に対応する方法を模索している段階でした。しかし現在はしっかりと将来を見据えながら事業展開できる状況になっています。

この中で、大きなトピックスとして、2022年11月に「にしてつグループまち夢ビジョン2035」という長期ビジョンを策定しました。

このビジョンは、変化する環境に適応し、サスティナブルに成長していくため、2035年までに実現したい社会と提供すべき価値、そしてそれを達成するための事業戦略などをまとめたものです。

このビジョンにもとづいて、私たちは「居心地よい幸福感あふれる社会」をつくることを目標としています。そのために、大きく4つの事業領域で進化を目指し、様々な取り組みを推進しています。

MaaSの加速、次世代のまちづくり。

まず、一つ目は私たちの伝統的な事業である『モビリティサービス』です。鉄道、バス、タクシーなど、地域の特性に合わせたシームレスな移動サービスの提供により、移動の品質向上や移動機会の創出を実現し、地域社会を支えていきます。

また、外部パートナーとのアライアンスによって多様な移動ニーズに対応。さらには、自動運転技術などのテクノロジーを活用して、安全・安心かつ効率的な業務へシフトすることで、MaaS(Mobility as a Service)を加速させます。

二つ目は『「リアルな場」提供サービス』です。オフィスビルやホテル、住宅、商業施設など、幸福感を感じられる「リアルな場」を提供するため、ハード面はもちろん、コンテンツの開発やソリューションの向上に注力しています。

現在進行中の福ビル街区の建て替えプロジェクトにおいて、「創造交差点 meets different ideas」というコンセプトを採用しているのもその象徴です。多様性に満ち、新たな体験価値を提供する「ウェルビーイングな場づくり」こそ、私たちが目指す次世代のまちづくりです。

地域コミュニティのハブ、国内外物流のハブとして。

それから、三つ目は『BtoC物販サービス』です。スーパーマーケット、レストラン、体験型店舗などを通じて、新しい「コト消費型」の体験価値を創造していきます。

コンシェルジュによる上質なコミュニケーションやデジタルデータの分析を活用し、よりパーソナライズされたサービスを提供。地域コミュニティのハブとして、新しい出会いや購買体験を提供したいと考えています。

そして、四つ目は『BtoB物流サービス』です。国内外の物流拠点を拡大し、ロボットやAIを活用した「考える倉庫」を構築することで、物流拠点ネットワークを強化しています。

さらに、医薬品や危険品といった高度な専門分野の知見を持つ外部パートナーとのアライアンスを推進。相乗効果を生み出しながら新たな市場を開拓し、世界で競争力のあるロジスティクス事業へと進化させています。

西鉄グループと関わるすべての人と、健全で対等なパートナーシップを。

これらの既存事業の進化に加えて、新しい領域への挑戦も見据えています。そのキーワードは4つあり、「環境資源」「農水産」「ウェルネス」「地域ソリューション」です。

再生可能エネルギーの電源開発やエネルギーマネジメント、食を中心とした地域産業の活性化とブランド化など、スタートアップを含むパートナー企業との協業を通じて、数えきれないほどのビジネスの種が生まれています。

既存事業と新規事業のいずれにおいても、商品やサービスを通じて提供していきたいのは、顧客や、従業員、株主など、西鉄グループと関わるすべての人々と一緒に築いていく「関係」であり、それこそが価値であると考えています。

そして、その価値提供の基本スタンスとして、「濃(こま)やかに、共に、創り支える」という言葉に私たちの思いを込めました。

「情の厚さ」が西鉄らしさ。

この「濃やか」という言葉は「情に厚い」という意味を持つもので、私自身、非常に「西鉄らしい」と感じています。顧客や取引先から『やっぱり、「人」の西鉄だよね』とご評価いただくことも多く、このような情の厚さは私たちが常に大切にしている要素の一つです。

人々や地域、社会が直面する課題を、自分たちの課題として捉え、情熱をもって行動する。私たちは、そういった価値観を持つ人々が集まる組織でありたいと考えています。

この視点から、人財戦略や組織戦略についても大きく見直しを進めています。私たちのグループには18,000人を超えるメンバーがいますが、さらなる人財交流の促進や、個々が自律的に自己実現を追求するための支援策を考案中です。

社内公募や社内FA制度を通じて多様なキャリアパスを提示したり、リスキリング(学び直し)のサポート、ジョブ型制度の導入、副業・兼業の解禁など、キャリアにおいても多様化を促進する仕組みがまだまだ必要だと考えています。

正直なところ、着手すべき課題や実現したいアイデアが多く、制度化に追いついていない部分もあるため、そこは今後の課題の一つとなっています。

一つの企業グループ内で、多様な事業領域の経験を積むことができる。

今回のビジョンを実現するために、今後、より具体的な取り組みが加速していくことになりますが、その過程において、新たな人財や力が必要になることは間違いありません。そういう意味ではキャリア人財に対する期待感は高まり続けています。

これも「西鉄らしさ」だと思うのですが、私たちは一つの企業グループ内で非常に多くの事業を展開しています。そのため、事業や部門によって風土が異なったり、得られる経験やスキルが異なることは珍しくありません。

それぞれの部門はまるで「別の企業」のような感覚とも言えますので、本来は転職しないと味わえないものかもしれません。しかし、西鉄であれば、転職せずとも異なる事業領域で新たな経験を積むことができます。

多彩なチャンスに溢れる環境の中で、どのようなチャレンジをするか、どのようなキャリアを築くかは、皆さん自身が選択することができます。このフィールドを、福岡にお住まいの方はもちろん、U・Iターンを考える方にも魅力的に感じてもらえると嬉しいです。

編集後記

チーフコンサルタント
原田 昌和

85社と一つの学校法人から成る企業グループ(2023年9月時点)として、非常に多くの事業を展開している西日本鉄道社。前回のインタビューから約1年半が経過し、最新の動向を伺いましたが、各事業領域で新たな取り組みが次々と進行中で、今回のインタビュー時間だけでは伺い切れないほどの興味深いトピックスに溢れていました。

また、長期ビジョンの中で掲げておられる「濃やか」という言葉。吉田部長が「西鉄らしい」とおっしゃっているように、私もその言葉に共感を覚えました。吉田部長をはじめ、西鉄社の皆様からは、常に気配りや思いやりを感じるからです。

この「情」が様々な事業を通じて福岡の街、九州、全国、そして世界へと広がっていくことを考えると、こんなにも素晴らしいことはありません。その価値観に共感する方をご紹介し、今後も同社の発展の一助になりたいと思いを強くする機会となりました。

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