企業TOPインタビュー

地域・社会の発展に責任を持つ街づくり企業、グローバル企業。

西日本鉄道株式会社
人事部長 吉田 哲治

福岡 更新日:2022年3月02日

1969年、福岡県出身。1992年、西日本鉄道株式会社入社。西鉄バス北九州株式会社への出向を経て2008年に帰任。以降、人事部労務課 課長、国際物流事業本部業務部総務課 課長(次長待遇)、東京事務所 所長(部長待遇)などを歴任し、2019年4月には株式会社ニモカの代表取締役社長を兼務。2020年4月より人事部 部長に就任し現在に至る。
※所属や役職、記事内の内容は取材時点のものです。

事業の発展とともに積み上げた自身のキャリア。

まず私自身のプロフィールを紹介しますと、出身は福岡で、東京の大学を卒業後、Uターン就職で西鉄に入社しました。以来、30年超の勤続になります。

就職した頃、西鉄は当時から“日本一のバス会社”というイメージが強く、その中で私も「バスのダイヤを引きたい」という思いがありました。入社後は念願かなってバスの部門に配属となり、それがキャリアのスタートです。

その後はグループ会社である株式会社西鉄グランドホテル(現:株式会社西鉄ホテルズ)での総務や、西鉄本社での人事、東京の国際物流事業本部など、様々な経験を積みました。6年ほど東京で勤務したのち福岡に戻り、交通系ICカード「nimoca」を展開する株式会社ニモカの代表を経て、2020年より現在の役職に就いています。

振り返ると、同期の中でも比較的いろんなことを経験しているので、ユニークな経歴と言えるかもしれません。今でこそグループのメインとなっている事業でも、かつてはまだ発展途上だったり、そういった事業の成長とともに私自身もキャリアを積んできて、今思えば幅広い経験ができて良かったと思っています。

コロナ禍で迎えた大きな転換期。

西鉄グループには鉄道・バス・都市開発といった地域マーケット事業と、日本全国と海外を結ぶ国際物流事業という大きな2つの事業モデルがあります。私のキャリアにおいては地域マーケット事業がメインになってくるのですが、ここ最近はやはりコロナ禍の影響が大きくなっています。

福岡は「アジアの玄関口」と言われるようにインバウンドが活発で、当社においても人の移動に伴う事業が活況でした。ところがコロナ禍によってインバウンド需要は減り、国内の動きも減ってしまいました。

現在は、これまでのサービスや事業を再構築しているところで、会社はまさに大きな転換期の中にいます。その中で新しく進めているのが、DXやデジタル化、MaaS(Mobility as a Service)に関する取り組みです。

先進技術を活用しながら、新しい価値を創造する。

例えばバスで言えば、これまではICカードやチケットレスのデジタル乗車券といった取り組みを進めてきましたが、現在はそれに加えて、他の交通機関との乗り継ぎや決済をシームレスに行えるような技術の構築やサービス提供を本格化させています。

それから、輸送サービスの提供として展開しているのが「のるーと」です。のるーとはオンデマンドバスと呼ばれるもので、従来のように時刻表や決まったルートはありません。利用者がアプリで出発地と目的地を登録すると、そこにマイクロバスが来て、他の乗合客の出発地・目的地も踏まえてAIが最適なルートを導きながら目的地まで運行するという仕組みになっています。

現在はアイランドシティなど複数のエリアで運行しており、ユーザーの声を取り入れながら、サービスを進化させているところです。

西鉄バスは路線数が非常に多く、「利用者それぞれに自分の路線がある」とも言われるほどです。その強固な路線網を最大限に活かしながら、さらに利便性を高めたり、あるいは、のるーとのような新しい交通インフラを創造したり、他社との連携を強めながら、地域や社会の課題解決に挑戦しています。

地域や社会への影響力を持つ企業としての責任。

それからもう一つ、大きく展開しているのが福岡都心の大型開発プロジェクトです。

福岡市が主導する大規模再開発事業「天神ビッグバン」のプロジェクトの中でも注目を集める「福岡ビル(通称:福ビル)」の建て替えや、参画事業である旧大名小学校跡地の活用事業、青果市場跡地の「ららぽーと」事業などについては、西鉄グループとしても最優先事業と位置付けています。

持続可能で活力ある街の在り方を追求しながら、交通インフラとも連携して着実に成果へ繋げていきたいと考えています。

また、SDGsへの貢献という部分でも、ガバナンスを強化しています。事業規模が大きく、地域への影響力が大きい私たちだからこそ果たすべき責任があります。

福岡都市圏だけでなく、首都圏や海外でも展開する各事業部と連携を強めながら、ESG経営を押し進めています。

キャリア採用の強化へ。

採用においては、これまでは新卒で採用して、ジョブローテーションなどで育成していくという戦略が主でしたが、コロナ禍を経て現在は変わってきています。

デジタル化や事業の再構築を進める中で、従来のゼネラリストに対すればスペシャリスト、つまり専門性の高い知見や経験を持つ人材の必要性を痛感し、キャリア人材の採用に注力しています。

DX人材を筆頭に、海外でのホテル・オフィスなどの開発や国際物流を担う海外人材、管理部門の効率化や強化を図るための人材など、あらゆる領域での採用強化を見据えています。

また、そういった方が入社後にしっかり活躍しながら望むキャリアを実現できるように、社内風土改革の取り組みも同時に進めています。

大きな可能性を持つ西鉄のフィールド。

風土改革の取り組みとしては、例えば上長との1on1ミーティングを定期的に実施したり、人事部門の役職者との面談によって、「これからどんなキャリアを志向するか」という摺合せの機会を設けたりしています。

どんな事業に携わり、どんな部門で、どんな仕事をしたいか。そういった希望を聞きながら、ともにキャリアデザインしています。

私自身、長く西鉄グループで歩んできましたが、一つのグループでこれだけ様々な業種で事業展開しているというのは大きな特徴だと思います。

培ってきた経験やキャリアを新たな環境で発揮したり、あるいは自分のありたい姿への自己実現を目指したり、そういった大きな可能性が西鉄のフィールドにはあると思います。

編集後記

コンサルタント
植田 将嗣

日本一の年間走行距離を誇るバス路線を持ち、都市開発や国際物流など、幅広い事業を展開する西鉄グループ。今回は同グループの中核企業である西日本鉄道株式会社にて、吉田人事部長にお話を伺いました。

コロナ禍によって事業やサービスの在り方が問われる中、大きな転換期を迎えていると語る吉田部長。同社のDXやMaaSといった先進技術領域での取り組みは私たちも目にする機会が増え、福岡都心の大規模再開発事業においても、ますます存在感を感じるところです。

そういった動きの中で、人材ニーズにも変化が出ているのは必然と言えるかもしれません。専門性の高いキャリア人材の採用を強化していくと語る吉田部長からは、決意や覚悟といった想いを感じました。

また、「(キャリア人材にとって)西鉄には大きな可能性がある」というお言葉には、地域や社会に大きな影響力を持つ同社ならではの説得力がありました。

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