地域情報ブログ

北海道レジャー2023.10.17

札幌から一番近い世界遺産【キウス周堤墓群】

こんにちは。リージョナルキャリア北海道のコンサルタント、福澤です。

今回は、札幌市内から車で約1時間、現在建設中の千歳市内にあるRapidus株式会社(以下Rapidus)の次世代半導体工場「IIM-1」からは車で約15分という距離にある世界遺産(の一部)、縄文時代のキウス周堤墓群(しゅうていぼぐん)を紹介したいと思います。

そもそも、なぜ縄文時代の遺跡なのか?と申しますと、私の息子がなぜか『土偶』にハマってしまったからです!

そしてその流れで、札幌近郊の縄文時代の遺跡を探すうち、なんと札幌から短時間で行ける距離に遺跡、しかも世界遺産がある!という事実を知ったわけです。

今回のブログが、皆様と縄文ワールドとの素敵な出会いのきっかけになれば幸いです。

※参照:「世界遺産 北海道・北東北の縄文遺跡群」hp

なぜ、縄文時代の遺跡が世界遺産に選出されたのか

縄文時代は旧石器時代と弥生時代の間、約15,000年前から約2,400年前の間の時代のことと言われていますが、その最大の特徴は「身分の差がゆるいものだった」ということです。

人口も少なく周囲にある自然の恵みが豊富だった当時は、食料は必要な分だけ採取すれば良かったことから、貧富の差も少なく大きな争いも起きにくかったことが要因のようです。

加えて大陸のように外敵から攻め入られることもなく、比較的穏やかな環境だったため、縄文時代は約1万年以上も続きました。

こんなに長く続いた時代は世界史の中でも珍しいそう。この約1万年に及ぶ採集・漁労・狩猟により定住した人々の生活と、比較的心に余裕のある精神文化の過程を示すものとして北海道と北東北の17の遺跡が評価され、2021年に世界遺産に登録されました。日本では25件目、北海道では2件目の登録となります。

ちなみに稲作が広まった弥生時代に入ると、米をたくわえる人が出現。地域の人を働かせて米をつくるようになり、支配する人と支配される人に分かれ、貧富の差も開きました。

土地争いや田んぼに引く水の奪い合いも発生。こうして本格的な『争いの時代』に入って行きます。

札幌及び近郊で最も身近な世界遺産「キウス周堤墓群」とは?

世界遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」は、北海道・青森県・岩手県・秋田県に所在する17の遺跡で構成されています。

道内で今回登録された縄文遺跡は6か所で、そのうちのひとつが今回の取り上げる、千歳市のキウス周堤墓群です。

周堤墓とはドーナツ状に土を盛り上げ、その中に複数の墓を配置した大規模な集団墓。出入口と考えられる切れ目があり、決まった道を通って出入りしていたと考えられています。

ちなみに「キウス」とは、アイヌ語の「キ・ウシ」(カヤ・たくさんある所)からつけられた名前で。カヤとは湿地に生える植物ですが、遺跡の近くには沼があり(実際、RapidusのIIM建設中の美々ワールドの近くにも湿原や沼があります)、そこにたくさんのカヤが生えていたと思われます。

この集団墓地である周堤墓は、その大きさから、たくさんの人が何百日もかけて作り上げたと考えられ、"縄文時代の大造成"といわれています。(その大きさについては後ほど。)

いよいよ「キウス周堤墓群」へ

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※画像引用:千歳市HP(最終閲覧日:2023年10月17日)

【所在地】北海道千歳市中央

【アクセス】道央自動車道の千歳東ICから車で約5分。

地図を見ると、千歳駅やRapidusのIIMの建設現場(赤丸付近)からの近さもおわかりいただけるかと思います。

いよいよ現地に到着。入口に据えられていた全体図と見学のポイントを見て、今回は一番手前にある2号周堤墓に家族で行ってきました。

(時間と天候の関係で一番大きい1号までには行けず・・・次回リベンジ予定です)

画像2.png

※以下、写真はいずれも筆者撮影

ちなみに、案内所でボランティアの方にガイドのお願いもできます。

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【遺跡ガイドについて】
ボランティアガイド(所要時間約30分、無料、日本語)
4月下旬~11月下旬実施(詳細は千歳市HPでお知らせします。)
個人( 9名以下)・・・定時ガイドを実施しています。現地案内所で申し込みください。
団体(10名以上)・・・「キウス周堤墓群を守り活かす会」HPから、10日前までに申し込みください。
※引用元:世界遺産 北海道・北東北の縄文遺跡群 公式サイト|キウス周堤墓群(最終閲覧日:2023年10月17日)

▽案内所(駐車場すぐ横)

画像6.jpg

いよいよ周堤墓へ


こちらがキウス周堤墓群の入口です。

森林の香りが心地よいです

画像3.jpg
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こちら(↓)は第一のポイントです。左側が盛り上がっているのがお分かりいただけますでしょうか?

画像7.jpg

▽2号周堤墓の説明

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この先、写真の中央あたりには大きなくぼみが見えます。ここにたくさんのお墓があったとのことです。

画像9.jpg

ちなみにこの2号周堤墓は、土手の上から穴の底まで5メートル以上もあります。

堀り上げられた土の量は3,400立方メートルと考えられており、これは10人の大人が毎日堀ったとしても2年かかるそう。大変な作業だったことが想像できます。

これが、まさに"縄文時代の大造成"といわれている所以です。

最後に

今回、ご興味を抱かれた方は是非、最大の1号周堤墓の方も見学して頂ければと思います。

下の写真を見るとその大きさがお分かりいただけるのではないでしょうか。

ちなみに1号周堤墓の土手の上と下に立っている人は全部で220人、この穴の中には縄文人のお墓がたくさんあると考えられています。

画像10.jpg

近い将来RapidusのIIMが完成し、国内外の多くの方々が千歳やその近郊を訪れると思いますが、その方々がこの縄文ワールドに触れ、遠い昔の時代に思いをはせて頂ければうれしいな、とこのブログを書きながら思いました。

そしてこの記事が、そのきっかけのひとつになれば幸いです。


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