見知らぬ地で子育てに悩む妻を見て、地元へのUターンを決心。
べバストジャパン株式会社
川﨑和幸さん(仮名・設計開発) 30歳
- 転職回数
- 1回
- 転職期間
- エントリーから内定まで143日間
大のバイク好きだった川崎さんにとって、静岡に本社を置く二輪車メーカーでの設計・開発の仕事はまさに天職だった。就職2年目には学生時代から交際していた女性とめでたく結婚。ほどなく子どもにも恵まれ、順風満帆だった。しかし、広島出身の奥様にとって、初めての子育てを誰一人知り合いのいない地で行うことは、大きな負担だった。不安を抱えながらも子育てに奮闘する奥様を、放っておくわけにはいかない。考え抜いた末、川﨑さんはUターン転職を目指すようになった。そして川崎さんは、自分のこれまでの経験が活かせる「自動車業界での設計職」という仕事を、地元でも発見。「家族の穏やかな生活」と「やりがいの持てる仕事」という、かけがえのない2つの価値を両立させることに成功している。(※本記事の内容は、2016年9月取材時点の情報に基づき構成しています)
転職前
- 業種
- 自動車二輪メーカー
- 職種
- 設計
- 業務内容
- スタンド・フレーム等の開発設計
転職後
- 業種
- 自動車部品メーカー
- 職種
- 設計
- 業務内容
- 自動車用サンルーフの開発設計
大のバイク好き。自動車・二輪車に関わる仕事がしたい。
現在のお仕事はどんな内容ですか?
110年の歴史を持ち、世界50ヶ国に拠点を展開するベバスト社は、自動車用ルーフボディシステムのトップクラスメーカーです。その日本法人であるベバストジャパンでは、コンバーチブルルーフシステム、パノラマルーフシステム、クラシックルーフシステムなどを開発・製造し、世界市場に提供しています。私は設計担当として、ルーフシステムの開発に携わっています。現在、所属しているのはスポーツカー向けルーフシステムの開発プロジェクトです。
入社前のご経歴を教えてください。
大のバイク好きで、学生時代はあちこちツーリングに出かけていました。就職したのは、静岡にある自動車・二輪車のメーカーです。「バイクに関わる仕事がしたい」という希望が叶えられて嬉しかったですね。職場では、新興国向け小型二輪車のフレームやスタンド・キャリアなどの設計を担当。仕事はとても楽しかったです。
転職のきっかけは?
社会人2年目に結婚し、翌年には子どもも生まれました。ただ、広島出身の妻にとって、顔見知り一人いない静岡で初めての子育てを行うのは、大変だったようです。そしてある日、妻から「実家のある広島で暮らしたい」と相談されたのです。いずれ私も地元に戻ることを頭の片隅に置いていたものの、今すぐとは思っていませんでした。仕事に不満はなかったし、もっと大きな目標に取り組みたいと思っていた矢先ですから。悩みましたね。同僚や上司にも色々と相談に乗ってもらいました。でも、私にとって一番大事な妻子のことを考え、広島に戻ろうと決心しました。
転職活動はどのように進めましたか?
リージョナルキャリア広島のコンサルタントと面談し、その後もメールや電話でやり取りを続けました。求人情報だけではなく、広島の住環境や子育ての環境など、様々な情報を頂きました。転職に関しての私の希望は「設計職か研究職。今までの経験が活かせる自動車業界」。そこで、ご紹介頂いたのがベバストジャパンです。コンサルタントは、私が作成した職務経歴書をメールで送ると「こうした方がいい」とすぐにアドバイスをしてくれました。また、面接当日は駅から会社まで車で送迎してくれるなど、親身になってサポートしてくれました。
今の会社に決めたポイントは?
実は、紹介を受けるまで会社のことは知りませんでした。早速ホームページやコンサルタントの方が提供してくれた同社の新聞記事、雑誌の記事などから情報収集しました。事業の将来性や優位性なども理解するうちに興味が湧き、面接を受けてみたいという気持ちになりました。希望する自動車業界で設計の仕事だったので、何の不満もなく決断できました。
親族も友人もいる。「周囲に知り合いが多い」という地元の心強さを実感。
転職していかがでしたか?
自分の意見を自由に言える雰囲気がある会社ですね。今所属するプロジェクトのメンバーは7名ですが、アイデアを思いついたら、どんどん出し合っています。上司もメンバーの意見にじっくり耳を傾けてくれます。また、自動車のルーフはすぐ目につくというのもいいですね。自分が関わった製品を搭載した車が街で走っているのを見ると、「あれはオレがやった仕事だ」と言いたくなります。他の人が「ルーフがかっこいい」なんて話しているのを聞くと、ワクワクしますよ。
生活面での変化はいかがですか?
私と妻の互いの実家がすぐですから、何かあったら行ける。ちょっと子育てで手伝ってほしい時は、気軽に頼める。この距離感はありがたいですね。子どもと過ごす時間も増えました。空港の近くに住んでいるので、休日に子どもを連れてよく行きます。飛行機を見ると喜ぶんです。地元に戻ってきて、子育てに関わる妻の精神的負担は大幅に減少しました。静岡の頃はしんどそうな表情をすることもあった妻ですが、今は笑顔が増えたと思います。地元には親族もいるし、昔からの友人もいる。周囲に知り合いが多いのは、健やかな生活を送る上で大事だと改めて実感しています。家族の穏やかな時間が増えたおかげで、仕事にも前職時代より集中できるようになりました。
困っていることや課題はありますか?
大きな買い物をしようと思うと、中心部まで出ないといけないのが不便なくらいですかね。静岡では、家の近くに大型ショッピングモールがいくつもあったので。日常生活ではほとんど問題ありません。
転職を考えている人にアドバイスをお願いします。
転職にあたっては、自分が本当にやりたいと思うことを重視すべきだと思います。安易に妥協すると、長続きしません。また、退職を決めたら、早めに上司に伝えたほうがいい。退職の意思を告げるのは勇気がいりますが、後回しにするほど面倒なことが増えかねません。退職時期が予定よりずれ込むと、転職先にも迷惑を掛けてしまいますから。