転職成功者インタビュー

株式会社マキタ
渡辺卓史さん(仮名・生産技術) 33歳

子育てのために地元へのUターンを決意。そこで出会えた感動を味わえる仕事。

高専卒業後、化学メーカーに新卒入社した香川県出身の渡辺さん。入社後は三重県内の事業所で化学プラントの計装設備の保全業務に従事していた。

順調にキャリアを積んでいたものの、仕事内容の変化に対して次第に違和感を持つようになり、「もっと現場に近い仕事がしたい」と考えるようになったという。

また、結婚・子育てとライフステージが変化する中で「香川に腰を据えて働きたい」という想いも強くなり、転職活動を開始。現在は香川の船舶エンジンメーカーで生産技術業務に従事する渡辺さんに転職活動を振り返ってもらった。

※本記事の内容は、2024年6月取材時点の情報に基づき構成しています。

過去の
転職回数
0回
活動期間
エントリーから内定まで85日間

転職前

業種
総合化学メーカー
職種
プラントエンジニア
業務内容
プラントの設備技術

転職後

業種
船舶用エンジンメーカー
職種
生産技術
業務内容
エンジン組立における生産技術業務

「このままではいつまでも香川に戻れない」そんな想いが募り、転職活動を開始。

現在のお仕事はどんな内容ですか?

マキタは船舶用エンジンメーカーで、私は「製造本部 組立部 組立生産技術グループ」に所属し、大きく三つの業務に従事しています。

一つ目は、組み立て現場の作業者のサポートです。例えば、エンジン組み立てに必要な治具や要具を考えたり、作業者が安全かつ効率的に作業できるような環境を整えたりしています。

二つ目は、エンジンを試運転する際の環境整備です。配管や電気ケーブルを繋ぎ、エンジンを動かすために必要な環境を整えています。

そして三つ目は、工場内の電気設備のメンテナンスです。

入社前のご経歴を教えてください。

前職の化学メーカーでは、主に化学プラントの計装設備の保全業務に従事していました。具体的には、突発的に発生した設備トラブルの対応や設備の保守計画の立案と実行、既存設備の改善、新しい計装設備の導入などに携わりました。

前職は13年間ほど在籍しましたが、在籍期間中は部署も変わらず同じ業務を続けていました。その後、転職を決意して2019年にマキタに入社しました。

仕事の立ち位置としては、前職も現在も「作業現場の環境を良くする、支える」という点で共通していると感じています。また、技術的な部分に関しては前職で培ったトラブルシューティングの知見を活かせています。

前職では協力会社を管理する立場として現場との調整業務を行っていましたが、現職でも社外の業者とやり取りが多いので、そういった点では前職で培った調整力が活かせていると感じます。

転職のきっかけは?

一番の理由は、生活基盤を香川に置きたかったことです。前職は全国転勤の可能性があったので、なるべく子どもに転校を経験させたくないという想いがありました。

また、親の近くにいれば何かあったときも安心なので、その点も考慮するとなるべく早いうちに香川に戻りたいと考えるようになりました。

前職でも香川に事業所はあり、何度か異動希望は出したのですが叶いませんでした。そうこうしているうちに自分も年齢を重ね、子どもも大きくなっていく中で、「このままではいつまでも香川に戻れない」と焦りを感じていました。

また仕事面に関しても、外注化が進んだことで現場の作業よりも調整的な業務が増えてきて、自分がやりたかった仕事とかけ離れてしまっていることに違和感を抱き始めていました。

私自身は、図面を書いたり手を動かしたりする仕事が好きなので、そういうことにチャレンジできる仕事に就きたいと改めて考えるようになり、転職を決意しました。

転職活動はどのように進めましたか?

とりあえず大手の転職サイトに一通り登録しました。しかし、おすすめに上がってくるのは全国転勤ありの求人ばかりで、香川に根ざした企業の求人がほとんどありませんでした。

そんな中、リージョナルキャリア香川のコンサルタントからメッセージをいただいたことが転機となりました。香川に特化している点に期待が持てたので、まずは話を聞いてみたいと思ってコンタクトを取りました。

今の会社に決めたポイントは?

船舶エンジンという大きなモノの開発に携われることに魅力を感じたことです。実際に面接の際に工場見学をさせてもらい、そのスケールの大きさに圧倒されました。

部長にいろいろと説明してもらったのですが、特に印象的だったのが、「何もないところから自分たちで図面を起こして作っている」という部分でした。私は「自ら考えて作る仕事」をやりたかったので、マキタで働きたいという気持ちが固まっていきました。

初めて任されたプロジェクトの旗振り役。無事成功を収め、今までにない感動を味わえた。

転職していかがですか?

入社前にイメージしていた業務とギャップもなく、日々やりがいを感じています。特に今でも印象に残っているのは、エンジン新機種の開発プロジェクトにおいて組立部の旗振り役に任命されたことです。

新機種の開発には様々な検討項目があって、それらを同じ部署のメンバーに割り振り、進捗確認やフォローなどをしてプロジェクトマネジメントを行いました。

エンジンが組み上がった後に試運転をするのですが、その時は「ちゃんと動くだろうか…」と、とにかく不安と緊張が大きかったです。無事エンジンが動き、試運転に成功したときは鳥肌が立つくらい感動したのを鮮明に覚えています。

転職して良かったと思うことは?

仕事内容でのやりがいが大きく、職場環境としても恵まれていると感じています。一言でいうと温かい職場で、お互いに冗談を言い合いながら仕事ができる環境なので、やりやすいです。

特に、同じ部署のメンバーからすると年上の後輩という立場で転職してきたのですが、特に壁を感じることもなく迎え入れてもらえたので、とても安心しました。

困っていることや課題はありますか?

前職の経験からマキタでも電気設備の保全業務を任せてもらうことがあるのですが、前職では携わっていなかった幹線設備の保全業務に関わることが多く、正直とても苦労しました。

当時の知識では対処できず、いろいろな文献を読み漁るなどして何とか解決できましたが、非常にハードでしたね。

また、近年エンジン分野でもデジタル化が進んでおり、エンジンや船から収集したビッグデータを活用するといったプロジェクトが進んでいるのですが、それに対応するための電気設備をどうするか、といったところでも非常に頭を悩ませています。

一つひとつの判断をすべて自分が責任を持ってしなくてはならないので、そのための知識の習得が現状の課題です。

生活面の変化はありましたか?

生活のしやすさは格段に上がりましたね。特に、親が近くにいることの安心感は大きいです。また、地元に戻ってきたことでマイホームを建てる決心もつきました。

今までは、アパートでひっそりと暮らしていたのですが、マイホームを建てて子どもが家の中を走り回っている姿をみると、癒やされますね。

あとは、地元の友人と飲みに行ったり遊んだりもできるので、こちらに戻ってきてからはプライベートも充実していますね。

転職を考えている人にアドバイスをお願いします。

よく世間では35歳を境に転職の難易度が上がると言われます。私自身も転職した時が35歳手前で、当時はうまく転職できるか正直不安でした。

しかし、リージョナルキャリア香川のような転職支援会社に登録をすれば、いろいろなサポートを受けられ、自分では知り得なかった企業や求人に出会うこともできます。

そういった転職支援会社を頼り、「自分はこういう仕事がしたい」「こういう環境で働きたい」とコンサルタントに相談すれば、その想いを汲んでくれますし、実際に転職してからのギャップも少なくなると思います。

担当コンサルタントから

チーフコンサルタント 
四ノ宮 こころ

「いつか香川に戻るためにモノづくりの技術を身につけよう」そう決意して県外の大手化学メーカーに新卒入社した渡辺さん。しかし、立場が上がるにつれて「やりがいだった“手を動かす仕事”から遠のき、もどかしさを感じるようになった」と転職を考え始めた理由を教えてくれました。

「自分の手を動かしてモノづくりの一端を担う実感がほしい」という渡辺さんの気持ちを伺った際に、私は「マキタ社を紹介したい」と自分の胸が熱くなったことをよく覚えています。

選考に進む時から渡辺さんはマキタ社のスケールの大きさ、精密さ、スキルアップのチャンスに関心をお持ちでした。そして今回のインタビューを通して当時感じていた魅力がそのまま今のやりがいになっていると分かり、とても印象的でした。

何度も「もっと勉強しなければならない」と繰り返されていましたが、そこに渡辺さんの今後の成長を見るようで頼もしくも感じました。

プライベートではマイホームが完成し、子どもたちがのびのびと育っている様子を話してくれる渡辺さんの表情はほんとうに幸せそうでした。香川へのUターン転職によって、笑顔溢れる生活とやりがいある仕事を手に入れた渡辺さん。これからもさらなる活躍と日々の充実を心から願っています。

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