三井松島ホールディングス株式会社
杉村秀典さん(仮名・経理財務) 30歳
子どもの誕生を機にUターンの想いが加速。理想的な転職を実現し、日々の幸福度が上がった。
東京の大学を卒業後、大手非鉄金属メーカーでファイナンス業務を担っていた杉村さん。自身は熊本出身、配偶者は福岡出身ということもあり、「いずれは九州に戻りたいね」と話していたという。
そんな折、第一子が誕生。九州への想いが加速する中、リージョナルキャリア福岡のU・Iターン転職相談会への参加をきっかけに、杉村さんの転職活動がスタートした。
キャリアの棚卸しやレジュメの準備、スケジューリングなど、担当コンサルタントと二人三脚で着実に活動を進めた結果、理想的な転職を実現。現在は公私ともに充実した日々を送り、「幸福度が上がった」と喜ぶ杉村さんに、Uターン転職活動を振り返ってもらった。
※本記事の内容は、2024年10月取材時点の情報に基づき構成しています。
- 過去の
転職回数 - 回
- 活動期間
- エントリーから内定まで198日間
転職前
- 業種
- 非鉄金属メーカー
- 職種
- 経理・財務
- 業務内容
- 主要工場における生産管理・予算管理、本社における資金繰り・資金調達など
転職後
- 業種
- 事業投資会社
- 職種
- 経理・財務
- 業務内容
- コーポレートファイナンス全般(決算、開示、子会社対応など)
「カジュアル相談会」での情報収集から、転職活動が本格スタート。
現在のお仕事はどんな内容ですか?
本社の経理部で連結決算を担当しています。現在は次の四半期決算や開示に向けた準備に取り組んでおり、さまざまな資料の精査や必要な作業の洗い出しを行っています。
また、近年の当社は祖業である石炭関連事業から事業投資会社へと事業ポートフォリオを大きく転換しており、M&Aを通じてグループに加わった企業に対する経理・財務面でのサポートが求められています。今後は、そういった業務も担当する予定です。
入社前のご経歴を教えてください。
熊本出身で、東京の大学を卒業後、大手非鉄金属メーカーに新卒で入社しました。地方の主要工場で約2年半、生産管理や工事費用・設備投資の実績管理などを経験した後、本社に異動しました。
本社では一貫して経理部の資金グループに所属し、資金繰りや外国為替業務、コーポレートファイナンス全般にわたる業務を幅広く担当しました。
転職のきっかけは?
一番のきっかけは、子どもの誕生です。妻が福岡出身ということもあり、「いずれは九州に戻りたいね」と話していましたが、子どもが生まれたことで、育児環境やお互いの両親と過ごす時間などを考え、「福岡で暮らしたい」という想いが一層強くなりました。
また、前職では総合職として異動や転属の可能性がありましたが、これまで経験してきた経理・財務領域をキャリアの中心に据え、より専門性を高めたいという希望もあり、Uターン転職を具体的に考えるようになりました。
転職活動はどのように進めましたか?
ネットで情報収集をしている際に、リージョナルキャリア福岡が開催するU・Iターン転職相談会を見つけました。その相談会は「中長期で考えたい人向け」「カジュアル相談会」と銘打たれており、私も「2年後ぐらいまでに」というスパンで考えていたため、まずは話を聞いてみようとエントリーしました。
面談では担当コンサルタントが福岡の市況感や見通し、Uターン転職者の事例など、さまざまな情報を提供してくれました。それらの情報をもとに再度家族と話し合った結果、「戻るなら早い方がいい」という結論に至り、あらためて担当コンサルタントに具体的な転職支援を依頼しました。
その後、キャリアの棚卸しを行い、転職に際しての優先順位を決めた上でアプローチ企業を想定し、アクションやスケジュールを決めました。履歴書や職務経歴書の添削なども含め、どのフェーズで何を考えるべきか、どんな準備が必要かについて丁寧にサポートしてもらったおかげで、入社まで非常にスムーズに進めることができました。
結果的に、初めての相談から約半年後に転職先が決まり、その後3ヶ月ほどで転居などを済ませ、無事に入社しました。もともと中長期で考えていたため、焦ることなく、余裕を持って活動を進められたと思います。
スキルアップを目指せる職場環境に満足。家族と向き合う時間も増え、幸福度が上がった。
今の会社に決めたポイントは?
担当コンサルタントが企業にアプローチしてくれた結果、数社から興味を持ってもらい、面談や面接に臨みました。その中でもっとも自分にマッチしていると感じたのが三井松島ホールディングスでした。
前職の経理部は50名規模でしたが、三井松島ホールディングスの経理部は責任者を含めても10名に満たない少数精鋭の部門で、グループ会社の統括も含め非常に広範囲にわたる業務を担っています。
経理・財務の専門性をさらに高めたいと考えていた私にとって、一人ひとりの裁量が大きく、より深い経験が積めるこの環境は理想的でした。
さらに、全社的に中途入社メンバーが大半を占めており、自分とキャリアやバックグラウンドが近い社員が多かったため、アジャストしやすそうだと感じたのも大きなポイントでした。
転職していかがですか?
入社前に感じていた通り、スキルアップを目指す環境としては申し分ないと感じています。上司や同僚も「着実にやっていこう」という温和な雰囲気で迎え入れてくれ、じっくりと仕事に向き合うことができそうです。
連結業務はこれまで経験がないため、知識や能力を高める必要がありますが、業務を通じて学べることに加えて自発的にセミナーに参加するなど、良いモチベーションを持って取り組めています。
生活面の変化はありましたか?
まず、残業が大幅に減りました。まだ入社して日が浅いこともありますが、業務外の時間を自分自身の勉強や家族との時間にしっかり充てられるようになりました。メイン業務を担当している先輩社員の労働状況を見ても、きちんとワークライフバランスが取れていることがわかり、安心しています。
妻も地元での暮らしに安心しているようです。気軽に実家に遊びに行ったり、地元の友人と交流したりできるようになり、そんな妻を見ていると私も嬉しく感じます。子どもと向き合える時間も増え、家族全体の幸福度が上がっていると実感しています。
今はまだ子どもも小さく、本人がどう感じているかは分かりませんが(笑)、これから子どもが成長するにつれ、この生活環境の価値をさらに感じられるのではないかと期待しています。
転職を考えている人にアドバイスをお願いします。
仕事やキャリア、生活、お金といったさまざまな面でリアルなシミュレーションを行うことが重要だと思います。
特に首都圏と地方を比べるとさまざまな違いがあるので、それらを事前に想定し、どう対処するかをシミュレーションした上で、一つずつ意思決定をしていくことが、Uターン後の「想定外」や「後悔」を減らすために有効ではないかと考えます。
また、Uターン転職後の未来に対して、できるだけポジティブなマインドで臨むことも重要だと思います。
そのためには、なぜUターンするのか、なぜ転職するのか、それによって何を得たいのかを突き詰めて考えることから始めると良いと思います。その上で優先順位を付けていけば、未来に向けてブレることなく、適切な思考や行動に繋げていけるのではないでしょうか。