転職成功者インタビュー

株式会社ソディック
寺谷麻未さん(仮名・産業保健師) 42歳

産業保健師の必要性をプレゼンし、採用予定の無かった意中の企業へ転職成功。

鉄道会社で17年間にわたって産業保健師として働いてきた寺谷さん。社員の健康のために役立ちたいとの思いで、志を持って取り組んできた仕事だったが、時代の流れとともに会社から求められるものと自分がやりたいことにズレを感じるようになっていったという。

そんな折、初心を取り戻すきっかけもあって退職を決意。次は産業保健師をまだ採用していない会社で自分の役割を開拓していくような働き方をしたいと考え、候補先を自ら探した。

意中の会社の人材採用を支援していたリージョナルキャリア石川に相談をした結果、募集していなかったポジションでの採用が決定。現在は「周囲にも恵まれ、仕事が楽しくて仕方ない」と充実の日々を送る寺谷さんの転職体験談を紹介する。

※本記事の内容は、2023年9月取材時点の情報に基づき構成しています。

過去の
転職回数
1回
活動期間
エントリーから内定まで47日間

転職前

業種
運輸業
職種
健康管理/産業保健師
業務内容
健康診断やストレスチェックの結果に基づいた健康管理体制の構築。労働安全衛生管理活動(職場巡視・職場環境管理など)健康経営に関する取り組みへの参画。

転職後

業種
工作機械メーカー
職種
健康管理/産業保健師
業務内容
健康診断やストレスチェックの結果に基づいた健康管理体制の構築。労働安全衛生管理活動(職場巡視・職場環境管理など)健康経営に関する取り組みへの参画。

募集していない会社へ「産業保健師の採用を検討してもらいたい」とコンサルタントに相談。

現在のお仕事はどんな内容ですか?

工作機械メーカーのソディックで、産業保健師として働いています。ソディックは横浜市に本社があり、石川県加賀市に製造拠点があるほか、宮崎、福井、愛知など全国各地に営業所などがあります。私は加賀市の事業所に居ながら、全国の社員の健康管理を外部の産業医とともに担当しています。

具体的には、加賀工場では安全衛生活動の担当者と一緒に、毎週工場内を回って社員の様子や仕事環境をチェックするほか、健康診断やストレスチェックの結果をもとに対応策を考えたりしています。

また、会社の健康経営方針に基づいて、横浜で体力測定イベントを開催したり、メンタルヘルスの講話の講師を務めたほか、社員の働きがいの向上に向けた取り組みなどにも関わっています。

これまで専門職がいなかったところに私が入社したので、他の社員の業務を圧迫しないように様子を見ながら新しいことを進めつつ、逆に専門職だからこそできることや改善点にはすぐに取り組んでいます。

入社前のご経歴を教えてください。

大学の医学部で看護学を専攻し、大学院まで進んだ後、新卒で鉄道会社に入社して産業保健師として17年間勤務しました。産業保健師というのは企業などに在籍して社員の健康管理を担う職種で、いまのところ全国で3800人くらいしかいないと言われています。

前職では社員の健康診断やストレスチェックの結果を分析して、必要に応じたアドバイスをしたり、それを踏まえて会社はどういった取り組みが必要かを立案し、交渉して実施していくといったことを担当していました。

転職のきっかけは?

私が就職した頃は、産業保健師というのはまだ一般的には認知が低い職種でしたが、社会の潮流としてメンタルヘルスケアの必要性が高まってきたり、生活習慣病や高齢の社員も増えていくなかで、前職でも職場の抱える問題がどんどん高度化していきました。

経済産業省も健康経営というものを推奨し、最近は産業保健師を置くことがブームになってきていると感じています。そうした流れもあってか、前職では私たち産業保健師に求められることも変わるようになりました。

以前は医療職の目線で社員のために施策を考え、職場と一緒に作り上げていく文化があり私にはそれが合っていたのですが、会社の方針の変化とともに、自分がやりたいこととズレを感じるようになったんです。

そんなとき、産業保健師の集まる研修に参加。そこで、自分が10年前にやっていたことに近い活動を目の当たりにしました。

「もともと自分は、こういった活動に楽しみを見出して仕事をしていたはず」ということを見せつけられた感覚でした。その研修を通じて新たな目標、目指す姿をイメージできたため、転職することを決めました。

転職活動はどのように進めましたか?

当初は「まったく違う職種もいいな」と考えていました。しかし、退職が決まって挨拶まわりをしていたときに自分が関わってきた社員の方から話を聞いて、「私も皆の役に立てていたんだ」と感じたんです。それで、やっぱり産業保健師は続けようと思いました。

そして、次にやるなら産業保健師がいない企業、もしくは産業保健師という職種を知らないぐらいの企業で働いてみたいと思うようになりました。

そこで求人票の件数や傾向を見て、家の近くで、いま産業保健師は募集していないけれど、今後健康経営に力を入れていきそうな企業はないかなと探したんです。そうして見つけた会社が加賀市に事業所があるソディックでした。

採用についてはリージョナルキャリア石川が求人情報を扱っていたので、エントリーをして相談しました。担当コンサルタントの腰本さんは「募集していない職種だけれど、ニーズがあれば採用してもらえるかもしれないので動いてみます」と言ってくれました。

私のような立場の社員の採用窓口が加賀事業所ではなく横浜本社だったのですが、腰本さんは直接電話をして「貴社にとってこういう人材が必要だと思います」と伝えてくださったそうです。

人事の担当者からは「通常、転職支援会社のコンサルタントは募集の必須事項を満たしていない人は書類を通さず、我々にアプローチはしてくれないと思いますから、良いところから応募したと思いますよ」と言われましたね。

今の会社に決めたポイントは?

運命的だと思うくらい順調に話が進んで、4月に応募して5月の始めには採用が決まりました。私の応募を見て、いまの直属の上司が「うちの会社に必要な人材だから、もともと必要な枠とは違うけれど採用してほしい」と働きかけてくれたそうです。

私は石川県に住んでいて、本社は横浜なので、採用は可能なのか心配しましたが、社員の多くが所属している大規模事業所は石川にあるし、オンライン業務もできるので大丈夫と言ってもらえて安心しました。

企業によって求められる役割がこれほど違うとは想像していなかった。

転職していかがですか?

企業によって求められる役割がこれほど違うのかと感じています。これまではテレワークもできませんでしたし、業務的にも私がやりたいと思うことがあっても会社の方針の都合上、実現が難しいケースが多かったんですね。

いまは真逆というか、やりたいことをやらせてもらえる環境になって、本当にいいのかなと思うくらいのびのびと仕事をさせてもらっています。

産業保健師という存在は、これから絶対に必要だと思いますし、この職種を希望する人に向けて「こういう働き方もあるよ」と提示することができたらと思っています。

また、社員の皆さんが温かく受け入れてくれて、本当にすごくありがたいです。まだ入社して数カ月なのですが、皆さんと楽しく話ができて、やってみたいと思っていた仕事も、しっかりとした目的や意思を持っていればやらせてもらえる風土があるのが嬉しいです。

転職して良かったと思うことは?

とにかく、すべてが良かったです。やりたい仕事ができていますし、環境も良いですし、収入もアップしました。

給与に関しては、産業保健師としてやるからには自分の職種を評価してもらいたいという思いから、会社に対して「今まで外部に依頼していた費用より、私ひとり雇った方が安いですし、社員の健康を支えていくことを考えると、私の年収以上の効果があると思います」というプレゼンはしました。

今回の転職では、例えるなら未開拓の地に行くイメージで、産業保健師という存在が無い、何も整っていないところに行って私が変えていこうと思っていたので、すべての仕事に対してやりがいがありますし、仕事をやった分だけ変化の幅が大きいので充実感がありますね。

生活面の変化はありましたか?

通勤がすごく楽になりましたね。自宅から車で10分くらいなので、家を7時半に出ても一番乗りです。モチベーション高く働けていて本当に毎日楽しいです。

週末になると月曜日が来るのが待ち遠しいくらい。「月曜になったら仲間たちに会える!」という、そんな気持ちで日々過ごしています。

転職を考えている人にアドバイスをお願いします。

私は自分のキャリアだけでなくキャラクターも見てもらって、「この人だから来てほしい」と思ってもらいたかったので、腰本さんにも「もしソディックの担当の方が少しでも私に興味を持ってくれたなら、とにかく直接話をする時間を作ってもらいたい。それでだめだったら納得しますから」と伝えていました。

経歴を書類だけで判断されるのは嫌でしたし、せっかく入社するならやりたい仕事をという思いが強かったので、その思いをしっかり伝えることが大事だと考えていました。

私の場合、前職は給与も安定している大企業で、転職するのはもったいないとも言われましたが、実際は転職したら環境も求められることも変わり、やりたいこともできるようになりました。

もし、現在の仕事に対して思うところがあるのなら、ここしかないという固定観念は持たないで、自分がやりたいことから新しい道を見つけていってほしいと思います。

担当コンサルタントから

コンサルタント 
腰本 延由

明朗快活、打てば響くような気持ちの良いコミュニケーションが素敵な寺谷さん。仕事に対しても前向きで、お話していると相談を受けているこちらが元気をもらえる方です。

産業保健師という仕事に対しての使命感も強く、プロ意識も高い方なので、絶対に新しい場所でもご活躍いただける方と思いご支援をしました。

ご入社後、会社にお訪ねした時に、「月曜に会社に行くのが楽しみです」とおっしゃっていたのがとても印象的でした。入社数カ月とは思えないほど職場に馴染んで、生き生きと仕事をされている様子を拝見して、ご縁を結べて本当に良かったと思っています。

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