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金沢の地で地域を愛し、愛される新しい総合エネルギー企業へ。

金沢エナジー株式会社
代表取締役 髙井 郁大

石川 更新日:2022年12月28日

1969年生まれ。石川県かほく市出身。
1992年 明治大学卒業後、北陸電力株式会社入社。
燃料部燃料計画チーム統括課長、北陸経済連合会事務局長、北陸電力七尾支店長、経営企画部部長などを歴任。
2021年 金沢エナジー株式会社 代表取締役就任。
※所属や役職、記事内の内容は取材時点のものです。

金沢市のエネルギー事業を引き継いでのスタート。

金沢エナジー(EGK)は2021年に北陸電力、東邦ガスなどの石川県内外の企業の出資によって設立された会社で、2022年4月から金沢市企業局の都市ガス・水力発電事業を引き継いで、事業を開始しました。ステークホルダーはエネルギー関連企業のほか、地元の新聞社や銀行など、石川県の社会基盤になっている企業です。「100年続く地域密着の総合エネルギー企業」を目指して、民間ならではのサービスを展開していこうと、様々な取り組みを始めているところです。

私自身は石川県かほく市の出身で、明治大学を卒業後、北陸電力に入社しました。最初の2年間は魚津営業所で電気料金の集金などを担当し、お客様に一番近い場所での仕事を経験しました。現場を経験することは、我々がどのようにライフラインを担っているかを直に学ぶ機会です。

その後は本社の管理部門に配属され、キャリア的には一番長く担当したのが石油、石炭、LNGなどを調達する燃料部門です。課長のときにはLNG火力発電所の立ち上げを経験し、海外にも出張してLNGのサプライヤーと直接交渉する機会もあって、一番印象に残っている仕事ですね。

電気事業連合会や北陸経済連合会への出向もありました。北陸経済連合会の事務局長のときには、交流人口を増やそう、県外に進学した人たちに戻ってきてもらおうと、北陸の企業の良さを伝えるPR事業などを手掛けました。北陸新幹線に対する働きかけなど、地域経済との関わりを数多く経験できたことは、自分にとってとても大きいことでした。

私は実家が網元で、もともとは後を継ぐつもりだったのですが、父親から「しばらくは好きなことをやっていい。ただ地元には戻ってきてほしい」と言われたんですね。いろいろな経験をしたいなら漁業とは関係のない会社を選んだ方がいいとのアドバイスで北陸電力に入社したのですが、結果として本当にいろいろなことをやらせてもらっているな、というところです。

エネルギー供給に対する責任と矜持を持って歩んでいく。

事業は金沢市から引き継いだものなので活動の中心は金沢市となりますが、民間事業ですから行政区に縛られることなく、金沢市近郊市町村にも展開していきたいと思っています。一方で金沢市内でも都市ガスをお使いでないお客様も多くいらっしゃるので、その方々にもアプローチしていきたいですね。

ガス、電気を供給することは当然ですが、その他にも多種多様なサービスを提供し、市民の皆さんから“民間になって変わったな”と認識していただけるような事業展開が必要だと思っています。まずは、まだ知名度が低いので、課題は市民の皆さんに知っていただくこと。イベントをはじめ様々な場面で金沢エナジー、EGKの名前や文字が多くの人の目に触れるように、地域貢献活動などにも積極的に取り組んでいるところです。

当社にとって大切なのは、社員一人ひとりがエネルギー供給という役割に対しての責任感や矜持を持つことだと思っています。事業開始から約半年という現段階で社員は150~160名いて、半分の80名は期間限定で引き継ぎ業務を行う金沢市企業局からの派遣職員です。40人弱は出資会社からの出向者なので、合計120人くらいはエネルギー供給に対するそうしたマインドを持っています。

これから中途採用や新卒採用で入社する方には、社会基盤を担う、ライフラインを担う、ガス・電気を供給するということの使命や矜持は何なのかを認識してもらいたい、体に染み込ませてもらいたいと思っています。

社内にライフラインを担うマインドを浸透させることが重要。

具体的な例で言うと、我々はテレビのニュース速報で気象情報や災害情報が流れると、この台風は北陸に来るのか、来るならいつなのかということが気になるんですね。中途入社した社員たちにも、「これから自然災害のニュースや速報が気になると思うし、気になるようになってもらいたい」という話をします。数カ月後「社長、やっぱりそうなりますね」と話してくれる社員もいるんです。

「大雨のときは、それに関する記事を真っ先に読むようになりました」と言われるとうれしいところもあるし、その社員にとっても自分が変わったと実感できるところなのではないかと思います。ライフラインを担う事業に携わっているということに、矜持を持ってもらいたい。ライフラインはちゃんと出来ていて当たり前の仕事なので、褒められることは少ない仕事だと思っています。そういう意味でも矜持という言葉が当てはまるのかなと思っています。

いま金沢市企業局から来ている80名の方々は最長3年で帰任されることから、人員の入れ替わりが生じます。それだけに、お話ししたマインドをいかに浸透させていくかがエネルギー事業者として重要だと思っています。また、いま営利目的の新電力が撤退をしていますが、我々はそういうビジネスをやるつもりはありません。あくまでも供給責任、契約責任は全うすべきですし、売る覚悟、お客様と契約する覚悟を持ってやる商売だと思っています。そのためには社員一人ひとりがガス事業とは何なのか、電気事業とは何なのか、社会基盤を担うというのはどういうことかということを認識していかなければならないと考えています。

金沢でいきいきと働くことが一番の地元貢献。

当社に入社してきた人に志望動機を尋ねると、地元貢献と話す方が多いですが、これから来てくれる人に対しても、正にそういう気持ちで来ていただければと思っています。何より金沢でいきいきと働くことが一番の地元貢献です。Uターンであれば人口が増えますし、そこに友人が遊びに来てくれれば交流人口が増える訳ですから。

特に若い人にとっては、エンタメを中心に東京は刺激が多くて楽しいですが、ゆっくりとした時間が欲しくなったら、北陸、金沢は選択肢に入ると思います。東京まで新幹線で2時間半なので日帰りできます。地元に戻ってくるということに関しては、この4、5年で感覚は随分変わったと思いますね。

金沢エナジーという社名ですが、EGKという愛称で呼ばれていくといいなと思っていますし、何十年も経ったらエネルギーとは関係のない仕事が事業の柱になっているかもしれません。いまはエネルギー出身メンバーが大半なので、エネルギーに関することに引っ張られる部分はありますが、そこに新たな視点を入れてくれるのが新規採用する方々だと思っています。当然、やれることとやれないことはありますが、考えること、発案することは自由。中途採用では、入ってもらう方々のキャリアやアイデアに期待しています。

これまでのガス会社、電力会社とは違うものを発信していきたい。

いまSNSを活用した広報も行っていますが、新しく入社した若い世代を中心とした社員でプロジェクトを作り、取り組んでもらっています。そうした手法はこれまでのガス会社、電気会社のままでは出来なかったと思います。現在は金沢市のみが営業エリアですのでその分、お客様との関係の深さを追求できます。そうした場面において、SNSはピンポイントでアプローチできるツールだと思っています。運用にはガス会社でもなく電力会社でもないという発想を入れてほしいとリクエストしています。

新規事業に関しても、新しく入社した人を中心に担当してもらっています。これまでガス事業や電気事業をやったことがなくても、誰もがガスや電気を使ったことはありますよね。そこから、「何かできることはないかな」と考えることが大事だと思っています。

ガス会社、電力会社というのは、お客様との近さを感じられる仕事なんですね。銀行口座からの引き落としの手続きをしていただいたり、点検でお宅に寄せさせていただいたり。そうしたなかで、お客様のためになる何かが、私たちにできるかもしれない。これまでガス会社や電力会社がやってこなかったことがあるかもしれない。そこを新規採用の人たちは、いちユーザーとして考えることができます。ガス会社に「こんなことをやって欲しいな、こんなことができるのかなぁ」と思うことを具現化していけばサービスの多様化に繋がっていくと思っています。

中途入社ならではのキャリアを新規事業に活かしてほしい。

面接をしているときは、その人の話が私に通じるかどうか、質問の回答がちゃんと私の腑に落ちて理解できるかどうかを見ますね。話し方が上手い人とそうでない人もいるなかで、苦手な人がハウツー本で読んだ通りに話すと逆にうまく伝わってこない。自分の言葉で良いので、本当の転職理由を分かりやすく話していただく方がいい。面接はテクニックある人が有利にはなるけれど、話し下手の人でもこちらに伝わってくるものを探しながら面接しています。

質問もあえて平易なことを用意しています。自分はついていると思いますかとか、夢はありますかとか。簡単なことを聞いて、その人がどう答えるか、それが我々に伝わるかどうかを大切にします。志望動機や転職理由、会社を辞めてきた理由に正解、不正解はないですよね。その理由を聞いて我々が納得できればいいわけですし、我々の会社を選んでくれた理由も我々が納得できるかどうかがポイントになる。面接の得意不得意、コミュニケーション力の高さというよりも、我々とマッチできる人はいるかな、と思いながら見ています。

繰り返しになりますが、新規事業を積極的に展開していきたいので、中途採用の方にとってはキャリアを生かしていただく機会、素地はあると思います。いままでは公営企業としての壁があったけれど、我々は民間として多種多様なサービスができますし、エネルギーの自由化によってガスや電気を売る中でも、これまでにないサービス向上の方法がいろいろあると思いますし、共に可能性を追い求めてくれる仲間に出会いたいと思っています。

編集後記

コンサルタント
小林 洋平

インタビューでは現在に至るまでの多彩なご経験だけでなく、民間事業だからこそ出来る新しい発想によるサービスへの期待など、終始にこやかに目を輝かせながらお話いただいた髙井社長ですが、エネルギーインフラという重要な社会基盤を担う者としての矜持に話題が移った瞬間、鋭い眼差しになられたのがとても印象的でした。

また、髙井社長の言葉は金沢、北陸といった地域が主語になっている事が多い点からも、常に地域社会を考えておられる事が分かりました。金沢エナジーが広く地域に浸透するよう、微力ながらサポートをさせていただきたいと改めて感じましたし、「100年続く地域密着の総合エネルギー企業」の実現に向けて、躍動を続ける同社の今後の展開が楽しみでなりません。

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