採用が経営を変えた瞬間 代表取締役社長 木下 勝寿氏

「北海道ブランド」で世界に誇る
グローバルブランド企業へ。

株式会社北の達人コーポレーション / 代表取締役社長 木下 勝寿

Vol.44

株式会社北の達人コーポレーション
代表取締役社長 木下 勝寿

北海道

神戸出身。大学卒業後、リクルートに就職。

5年後にリクルートを退職し、北海道に移住。

2002年に北の達人コーポレーションを設立し、現在に至る。

更新日:2017年12月20日

「巨人の星」を見て、社長業に興味を抱いた幼少期

小学校低学年の時、「巨人の星」というアニメを見て主人公の星飛雄馬と花形満の家庭環境に興味を持ちました。花形満は社長の息子で裕福な家庭で育ち、いっぽう星飛雄馬はそうではなかった。その差は何なのだろうと、幼いながらに考えました。そして、その頃から漠然と“社長”になりたいと思い始めたのです。「社長になりたい…」。でも社長というのは、社長の息子しかなれないもので、会社員の家庭で育った自分には手の届かない世界だと思い込んでいました。ところが、中学校の公民の授業で「会社は誰でもつくれる!」と知り、かなりの衝撃を受けたのを覚えています。それを知って興奮した私は父親に「どうして会社を作って社長にならなかったの?」と聞くと「それは難しいことだから…」と返答がありました。そんな会話から、「みんな、子どもの頃の夢は時が経つと実行しないまま、忘れてしまうものなんだ」と思い、できるだけ早い時期の高校か大学で絶対に会社を作って、「社長になろう!」と考えたのです。

 

そんな私は、高校生の時にはマーケティングの勉強を始め、その頃から会社に勤めるという選択肢は全くありませんでした。大学に入ってすぐに、友達と斡旋事業のようなものを始めたのですが、ビジネスの難しさに直面し、いったん休止。そんな時、大学生が起業して株式会社を立ち上げたというベンチャー企業のニュースを見て、そこで勉強しようと思い、仲間に入りました。そこでは学生たちが年商5億円ほどのビジネスをしていて、とても刺激を受けました。

競合との戦いではなく、自社ブランドの開発にパワーをシフト

大学卒業後は、独立するかリクルートでビジネスを学ぶかの2択しかありませんでした。私はリクルートに就職することを選び、結局28歳で独立を果たしました。起業するにあたり、ずっと頭にあったのは「家族にはお金の心配をさせたらアカン」ということだけでした。創業時の時代背景にあったのは、インターネットの普及です。この流通の変革期にいちはやく注目し、ネット通販で厳選した“いいもの”だけを全国に届けようと事業をスタートさせました。ビジネスモデルを構築していく中で出会ったのが、知名度もポテンシャルも高い「北海道」。さまざまな北海道の特産品を扱いましたが、代表的なものはカニでしょうか。創業当時は競合がほとんどなく、ビジネスは大成功。しかしネット市場に北海道の特産品を扱う会社が爆発的に増えて、価格破壊が起こり、差別化も難しくなりました。そこで「わけあり」商品という新しい手法を見出し、再ブレーク。しかし、またしてもビジネスモデルの模倣は止まりませんでした。

 

私は競合と戦うのが嫌いなんです。同じ働くのなら競合とシェア争いをするのではなく、市場を新しく広げることにパワーを使うほうが建設的です。そこで、他社が絶対に真似のできない自社ブランド開発に力を注ごうと決心しました。ちょうどその頃に、北海道の特産品を扱っていた経緯から、北海道が国内唯一の栽培地である甜菜(ビート)から抽出したオリゴ糖との出会いがありました。オリゴ糖は、カニやメロンなどのグルメ食材とは違い、体質改善のための健康食品。戸惑いはありましたが、自分たちが使ってみたら、効果がとても良かったのです。そこで販売してみたところ、お客様にとても喜んでいただけました。グルメ食材をお届けしていた時も「美味しかった。ありがとう!」と喜んでいただけました。しかし、健康食品の場合は「20年間悩んでいた体調不良が改善しました!」と、喜びのレベルや質が違うことを実感。そこから健康食品について徹底的に調査を始めたわけです。

徹底した調査と分析で、顧客満足を獲得

試行錯誤の末に行き着いたのは、モニター調査を徹底して、実感や効果のあるものだけを商品化して販売するということ。そして自社ブランド化し、大切に育てていくということです。「効果がないと売れない!」と思っていたので、本気で品質にはこだわりました。健康食品事業に取り組み始めてすぐに思ったのは、この仕事は「モノを売る仕事ではなく、満足を売る仕事である」ということです。そこで早い時期から健康相談に応じられる専門知識のあるスタッフを揃え、カウンセリング課をつくりました。単なるカスタマーサービスの一環ではなく独立した部門として、きちんと正しい情報を提供していくためです。

 

実は、カニを販売していた頃に学んだことがあります。美味しいカニを届けても、食べ方を間違えると美味しくないのです。そこで解凍方法や食べ方の虎の巻を添えるようにしたのです。しかも、絶対に読んでいただけるように手描きで作りました。すると「美味しくない」というクレームはなくなりました。健康食品や化粧品も同じです。正しい使い方をしないと効果がでません。しかも効果が出るのに個人差があります。1日ですぐに効果が出る人もいれば、1カ月後に効果が出る人もいます。実感できない人がすぐに連絡できるような体制を整えました。最初は手探り状態でしたが、今では作りたいものがあれば、日本中、世界中を探して試作品を作り、商品開発をしています。そして徹底したモニター調査と様々な分析を重ね、商品化へと進めていきます。こうした調査や分析が当社の強みでもあります。

「北海道ブランド」で、世界のグローバル企業へ

当社は創業から約17年間、ネット販売に特化し、ネット販売を前提に商品開発をしています。ネットマーケティングのスキルにおいては、国内ではトップクラスになれたのではと自負していて、カテゴリーキラー的存在になれたという手応えもあります。当初は小さかったネット市場も今は巨大化し、今後もさらなる可能性に満ちています。幸いなことに、日本はもとより、アジアを含む海外のお客様にも満足していただき、東証一部上場企業にまで成長することができました。目指しているのは年商100億円、利益30億円。そう遠くない時期に実現したいです。

 

上場の理由は、オーナー企業ではなく、パブリックカンパニーにしたかったからです。永続的に企業を存続させ、フラットな状態で後継者を迎え入れる必要があると考えました。優秀な人材採用が一番の目的です。これまでは「日本を代表する企業の1社になる」と公言してきましたが、最近は「世界に誇れるグローバルブランド企業になる」と言っています。その根拠は、海外から日本を見た時に、いま世界で勝負できるのは「北海道ブランド」しかないと実感し、その現実を海外で目の当たりにしているからです。関西出身の私が、約20年前に何も縁のない北海道に魅せられてビジネスを始めました。その決断が「間違っていなかった」ということが、何よりも嬉しい現実です。これからは日本といえば、東京でも京都でもなく、『北海道』だと確信しています。北海道のさらなる魅力を発掘し、発信していきます。

編集後記

取材をしての第一印象は、「今も昔も、北の達人コーポレーションは、新しいことにチャレンジし続けてきた」会社。まだ黎明期だったインターネットを販路の中心に据えて、インターネットの普及と同時に大きく拡大。取り扱う商品も北海道の特産品からはじまり、その後「わけあり」商品へとシフト。現在は健康食品へと主力商品は変わり、販路も、商品も、常に「北の達人」だからこそ付加できる価値を追求してきた姿勢がうかがえます。グローバル化やネットワーク技術の発達など、目まぐるしく変わる事業環境の中で、今後、「北の達人集団」がどのようなチャレンジをしていくのか、とても楽しみです。

文:リージョナルスタイル認定コンサルタント 大場 愛弓

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