採用が経営を変えた瞬間 代表取締役社長 杉本 惠昭氏

『人こそ企業なり』
次代を託す人材育成が最大のテーマ。

株式会社CEホールディングス / 代表取締役社長 杉本 惠昭

Vol.32

株式会社CEホールディングス
代表取締役社長 杉本 惠昭

北海道

1950年生まれ。

1971年 北海道電子計算機専門学校を卒業の後、大手IT企業にSEとして入社。

1990年 技術者仲間と会社を設立し代表取締役兼札幌支店長に就任。

1996年 札幌支店を独立させ、現在の株式会社シーエスアイとなる会社を立ち上げる。

2001年 東証マザーズ上場。

2013年 会社分割により持株会社CEホールディングスを設立。代表取締役社長に就任*。

2014年 東証一部に市場変更

※株式会社シーエスアイ代表取締役会長、グループ各社取締役を兼任。

更新日:2017年6月28日

『人こそ企業なり』の経営理念に懸けた想い

IT業界の夜明けとその発展を予感した私は、迷うことなく専門の学校で学び東京の大手IT企業に入社しました。優秀なIT技術者が多数在籍し、様々な新規分野に接することのできる環境は、私の成長にとってまたとない環境であったと思います。しかしながら、当時同族経営だったその会社では、私の本当にやりたかったこととのずれを少しずつ感じるようになりました。そこで私は熟慮の末、志を同じくする仲間とともに独立への道を選ぶ決意をしたのです。直接の同僚や部下でもなかったメンバーも私のもとへ集まってくれたことには感動しましたね。こうして仲間とともに東京で立ち上げた会社ですが、その後紆余曲折を経て出身地である札幌の支店を分社独立させ、その代表として新たな出発をするに至りました。これが電子カルテシステムの開発・販売を行う現在の株式会社シーエスアイに発展する会社となります。

 

どの局面でも、その方向転換の力となってくれたのは常に私をサポートしてくれた仲間や後輩たちの存在でした。当社の経営理念として掲げていることに『人こそ企業なり』という言葉があります。よく使われる『企業は人なり』とは少しそのニュアンスが異なります。後者は『経営を担う人・経営陣』にフォーカスを当てた言葉かと思いますが『人こそ企業なり』には構成する社員一人一人こそが企業そのものなのだという想いを込めたものでした。私は新卒でも中途採用でも、その能力や技術、実績にも目を配りますが人間性を最も重視してきました。経営判断においても社員にとってより好ましい選択を優先してきたつもりです。当社の管理職は総じて部下想いの者が多いのですが、そんな空気を作ってこられたのは成功だと思っています。

粘り強く作り上げた人脈が最大の宝

しかし、それは社員をただ甘やかすということではありません。管理職の人には、部下に何もかも教えるということではなく、自己研鑽ができる環境を意識して「自分で考えろ」「工夫をしなさい」というマネジメントを要望し、そして自らもそのように実行してきました。それが、部下の成長につながる本当の優しさだと思うからです。私は最初に入った会社からは離れることになりましたが、そこには優秀な技術者が多く、ずいぶん鍛えられました。厳しい先輩が多く、そこでもがきながら築き上げてきた知識や能力が今役に立っていると感じています。そういった意味で当時の環境には学ぶことも多く、感謝しています。

 

新入社員を迎えた時、必ず話すことがあります。それは「人脈づくりに傾注しろ」ということ。とにかく多くの人と会い話すこと。とはいえ、自分の人生にとって有益だと心から思える人は100人会っても1人か2人でしかないでしょう。でもそのごく少数の素敵な人はかなり高い確率でさらに素晴らしい人脈を紹介してくれます。100人に会わなければその1人か2人に出会うこともないのです。

 

もう一つ新入社員に話しているのは、『40歳までの自分作り』です。私の持論として、人間自らを変えることができるのは40歳までと感じています。そこを超えるとなかなか変われるものではありません。それまでにいかに自分を鍛え、変えられる自分自身を構築していけるか。新卒で入っても20年そこそこしかないわけですから簡単ではありません。

仕事をどう処理していくか。発想の転換

仕事の進め方でよく例えに出しているのが病院の受付にある「診察券ボックス」です。来院された患者さんがそこに次々と診察券を入れ、積み重なっていきます。そして、下にある診察券の患者さんから順に診察室に呼ばれることになります。これは当たり前のことと思われるかもしれませんが、私は敢えて「これは『ファーストイン、ファーストアウト』、オーダーのあった順に処理していくという仕事の進め方で、病院の受付では当然のことかもしれませんが、君たちの仕事では『ラストイン、ファーストアウト』にしなさい」と言っています。もちろん、最初にオーダーされたものをいつまでも放っておいていいと言っているのではありません。むしろ、そうならないように必死で上から処理していく。早く一番下のオーダーに到達する工夫をする。結果として診察券ボックスが常に空であるように努力せよということ。そういう意識付けをするための言葉でした。また『ディープソート & クィックアクション』もよく使うフレーズです。「深く考えたらすぐに行動し、後は走りながら考えろ」ということです。浅くしかものを考えない、しかも走り出したら方向転換できない、そんな人が多くありませんか?それではいい仕事はできないのではないでしょうか。そして、先に挙げた人脈づくりを加えて自分自身を成長させる近道だと教えています。

これからの戦略で生かされる人材採用

当社は持株会社によるグループ経営に変換、東証一部上場後、積極的なM&Aを行ってきました。この方針はこれからも変わりません。電子カルテ分野で国内2位のシェアを持つなどすでに優位な分野を持つ当社ですが、さらにそのシェアを拡大し、また医療関係の他分野、医療以外の分野への進出など、M&Aによる業容の多様化、拡大を視野に入れています。持株会社形式ですからグループ入りする企業を吸収したり経営の独自性を壊すことは考えていません。むしろ新たな個性を持つ会社が仲間となることで広い裾野を持つグループを構築したいと願っているのです。

 

このM&A戦略を実務面で牽引しているのが中途で採用した人材です。豊富な経験を生かし、彼が中心となってデリケートな要素も含むM&Aの道筋を見事につけてくれています。当社はどうしてもIT系技術者が大半を占め、企画・経営といった面では人材が不足していました。彼はそういった当社に新しい風を吹き込んでくれる人材として期待しています。中途採用には、経営にインパクトを与え、組織を変える力があると実感しています。 

 

私も60代半ばを越え、そろそろ次の経営体制を考えています。生え抜き、中途採用を問わずバトンタッチできる人材を見出していかなければなりません。時代の流れで多くのIT系企業のトップが同じくらいの年齢に達しているようです。その中でどこよりも上手く経営を引き継いでいけるか、社長として最後の最も重要な仕事だと考えています。

編集後記

日本のIT業界の立ち上がりと時をほぼ同じくして業界に身を置き、その大きな流れの中で独自の道を歩き続けた杉本社長。今や札幌に本社を置きながら、東証一部上場企業グループのトップの立場ですが、物腰は柔らかく快活で楽しい時間を過ごさせていただきました。テニス、料理、カメラ、オーディオ、園芸など非常に多趣味で、本社ビル1階ロビーから2階に続く階段にかけて並ぶ観葉植物の鉢の手入れは率先して社長が行っているとか。経営をバトンタッチした後は、発展途上国の小学校建設に尽力してみたいと夢を語っていらっしゃいました。こんなところにも「何よりも人づくりが大切」という熱い想いが表れていると思いました。

文:リージョナルスタイル認定チーフコンサルタント 福澤 謙二郎

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