採用が経営を変えた瞬間 代表取締役 齋藤孝志氏

会社は、社員が地域貢献を
自ら実感するために存在する。

株式会社サイコー / 代表取締役 齋藤孝志

Vol.55

株式会社サイコー
代表取締役 齋藤孝志

宮城

1975年宮城県仙台市生まれ。地元の専門学校を卒業後、父が創業した株式会社サイコーに入社。2009年に専務取締役、2012年に代表取締役に就任、現在に至る。2011年には第60代公益社団法人仙台青年会議所理事長を務める。

「仙台『四方よし』企業大賞」の受賞

この度、仙台市が創設した「仙台『四方よし』企業大賞」の平成29年度の大賞を受賞させて頂く事ができ、大変嬉しく思っています。私は、会社は地域を良くするためにある、と思っています。個人の力で地域に貢献していくには限界がありますが、それを組織として取り組むのがサイコーだ、と、自社の経営を捉えています。事業を通して利益を出すことは当然必要ですが、儲けるために事業をしていくのではありません。事業を通して地域に貢献していくことと、利益を出していくことを、同じ温度で回していくのが事業と思うのです。また、経営という観点では、「事業拡大」という点だけで社員をまとめていくのは難しいと思っています。社員に「売上をあげろ」と言っても売上が上がる事はありませんから。そのために、社員が仕事を通して、地域への貢献感を実感し、自ら成長していける仕組みを回していく、弊社が経営理念や経営方針で謳っているのはそういう事です。

弊社はゴミ収集所が汚れていれば当たり前に掃除をします。地域住民の方から「ありがたかったので、どうしても連絡したくて」と電話を頂く事があります。また、収集の際に小学生が通りかかれば手を振る社員もいます。近隣に住むお子さんが引越しする際に、ゴミ収集をする社員に「サイコーさんへ」とお手紙をくれたこともあります。おそらくこれは氷山の一角で、社員の日常のおびただしい数の努力により地域の人が感動してメッセージをくださり、それによって社員が感動する。そして、感動して心が動けば、当然仕事に対するやりがいは変わりますよね。給与のためではない仕事が出来るようになり、成長し、その社員により、自社が理想とする事業が回っていく、という循環が生まれる。今回の受賞は、こういった一つ一つの仕事や、その実践のための努力が一定の評価を得たものと思い、私自身嬉しく思っています。

自社の歴史について

弊社は1973年、私の父がトラック一台で「ちり紙交換」を始めた所からスタートしています。その後、古紙回収・ビンカン回収、スーパーなどの廃棄物処理、現在では機密処理事業と展開。2013年には仙台市の委託を受けて家庭ゴミの回収を始めていますが、その少し前に100名程度だった社員数は、現在200名を超えるまでになりました。またグループ会社に、多店舗展開のチェーンストア向けの廃棄物管理コンサルティングを行うSKトレーディングがあります。以前は、離職率も低くはなかったですし、なかなか理想とするような方々を採用できなかったため、私自身は、経営者になる前から、どうすれば人が採れるか、定着してもらえるか、成長してもらえるか、に関しては特に時間と労力を割いて来たつもりです。

「エコ活事業部」の取り組み

現在伸びている事業に「エコ活事業部」のリサイクルポイントシステム事業があります。これは、一般家庭から出た、紙やダンボール・ペットボトルなどをスーパーに設置した弊社のボックスに持ち込んでいただくと、ユーザーさんにリサイクルポイントが溜まり、割引券が発行される、というものです。Eコマースの発達によって段ボールゴミが増えた一般家庭にとってはよい回収場所になり、設置場所になるスーパーさんにとっては集客に繋がる、ということで非常に好評で、導入店舗数が広がっています。これは、お客様にとって役に立つ、という事と同時に、従来子供会などが担っていた廃品回収が困難になっていく世の中で、家庭ゴミの「ゴミ化」を防ぐ、と言う意味で社会貢献に繋がる活動と考えています。また、このリサイクルポイントには、サイコーから1円、店舗さんから1円を拠出し、例えば被災学生を支援するNPO団体に寄付する、というような仕組みを導入しています。つまり、ゴミを出す一般家庭の方々が「いらないものが社会の役に立つ」という気持ちになれるような仕組みになっているのです。一般の家庭が、例えば赤十字に寄付をする、というのはハードルが高いことだけれども、ちょっとゴミをお店にまで運べばポイントがついて、身近でリアルに役に立つ、という事が実感できる。これは地域の一般家庭が、お店が、そして自社がリアルに地域貢献できる仕組みです。こういった形で「まちづくり」に貢献できる、事業を通じて地域を良くする取り組みになっていると思います。

「売上をあげろ」の言葉に人は動かない

社員が仕事を通した感動によって成長できるよう、正しい行動を促す仕組みは徹底しています。出社から退社まで、車のカーブの仕方にいたるまで、細かく自分たちで定めたマニュアルがあるのですが、このマニュアルは2011年に初版を作り上げるまでに2年間をかけています。これは社員の規範になると同時に、褒めるための明確な基準にもなっています。「ジリキ向上プロジェクト」という、長期にわたる社員教育プロジェクトも実施していますが、これは成長のPDCAが回るような仕組みです。また社員にはお金だけではない豊かさを感じられるようになってほしいという思いから、家族そろっての野菜作りや、家族の方の職場見学などのイベントも沢山実施しています。「パパの会社に入りたい」と言ってくれるお子さんもいて、社員の励みにもなっているようです。プライベートが充実する事も、社員の心が動く大事な要素です。先にお話したように「売上をあげろ」の言葉に人の心は動きません。仕事や仕事に関わる出来事一つ一つを通して、社員と心を通わせ、「金銭だけではない豊かさ」を感じていただく事で、社員は主体的に成長していくもの、と私は考えています。

考えているのは「会社を強くすること」

今後は仙台の環境行政に貢献する事業活動により、市民サービスを向上させる会社にしていきます。社会を良くする事業をすることでこの組織にいる意味を感じ社員がまとまっていく。また社員から経営者を出したい、とも思っている。すべては「会社を強くするために」何をするかという視点です。「しあわせ ゆとり 豊かさ」は経営理念の一節ですが、これは社内だけでなく、地元仙台への地元貢献をしながら、社員とともに全国に拡げていきたいと思っています。

編集後記

お話を伺って最も印象に残ったのは「『心を通わすこと』で社員の主体的な成長が回り始める」という言葉です。私の子供はサイコーさんの車を見ると「あ、サイコーだ!」と手を振りますが、それはサイコーの社員さんが手を振り返してくれるからです。そういった心の通ったお仕事ぶりが、地域住民に愛され、それを感じた社員がより良いあり方を目指す、という「良い心」の「循環」を生み出していると感じました。そしてその事に細やかに気を使い、厳しく徹底して実践してきた齋藤社長に「会社というファミリーに対するあたたかみ」を感じます。齋藤社長のあり方が社員の「心を動かす」ものそのものなのではないか、と感じるインタビューでした。

文:リージョナルスタイル認定チーフコンサルタント 大石 豊

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