採用が経営を変えた瞬間 代表取締役社長 山浦 研弥氏

製品作りは人づくりから始まる
技術者にとって最高の環境を

長野オートメーション株式会社 / 代表取締役社長 山浦 研弥

Vol.54

長野オートメーション株式会社
代表取締役社長 山浦 研弥

長野

1973年10月30日生まれ。長野県上田市出身。大学卒業後ソフトウェア開発エンジニア、IT企業の創業を経て2013年に同社入社。営業部長、専務取締役を経て、2015年に代表取締役社長就任。

長野に技術者が自分の実力を試せる会社があることを伝えたい

長野オートメーションはFA(ファクトリーオートメーション/自動化、省力化)装置の開発、製造を手掛けています。製造業ではありますが、お客様の要望に応える仕事なので“毎回作るモノは違う”という点が、一般的な製造業とは異なります。アピールしたいのは“長野の山奥に、技術者冥利に尽きる仕事しか取らないような会社がある”ということ。それに興味を持ってくれるメンバーを集めたいと思っています。

技術者はやはり、自分の実力を試したいのだろうと思うんです。でも、会社や業務によっては同じことの繰り返しになる。それに飽きているけれど、「世の中の企業ってどこもそういうもので、社会人の人生ってそういうものだ」と考えているのではないでしょうか。でも、当社は分野や業種、国も含めて、ある意味見境なく、新しい仕事だけを取り続けて、必死になって取り組んでいる。例えば、自動車メーカーやスマホメーカーに在籍している技術者が飛行機の仕事に携わりたいと思っても、それは不可能な訳ですが、当社の場合は自動車の仕事もあるし、飛行機の仕事をやりたいと思ったら探しにいける。そして翌年は飛行機の仕事をしているかもしれない。隣ではスマホの仕事をしているし、電池も作っていると、とても領域が広い。しかし、学ぶべきことはFAというキーワードに尽きます。その技術をどこに生かせるかということだけを、必死に考えてやっている。そうすると、結果、世の中にある全ての企業がお客様になる。そこにぜひ魅力を感じてほしいですね。

欲しい人材は技術者として貪欲な人。その存在が営業になる

技術者の採用を考えるとき、まずは貪欲さがあれば、こちらが否定する理由がないですね。逆に言うと、その貪欲さがないと育たない。自分が考えたことを世に出してみようという意識があるかないか。それがあれば、その人は当社に居る限り育っていくと思います。当社への転職理由として、こうした環境に魅かれてくるメンバーも多いです。同じ業界で転職している場合、手掛ける仕事は同じだと思うのですが、違うところは私や先代の会長の方針でしょう。新しいものを飲み込んでから考えようという我々と、安全な経営を目指す経営者との違いは正直大きいと思います。3年程前に競合会社から転職してきた社員も、20数年務めたところの事業方針がつまらないという理由で辞めて、縁もゆかりもない長野にIターンでやってきました。こうやって集めた技術者の存在が、当社にとっては営業になるんです。当社は「製造業であって、製造業でない」という面があって、お客様が望む機械を作るので、そもそもは何もない。そうすると、売っているもののメインは人。その人を買ってくれるから、その人が作ったものを買ってもらえる。だからこそ、メンバーを集めておくことが、外向きの営業になるんです。

歩んだ道のりの集大成として、ここで躍動するメンバーたち

いろいろなキャラクターを採用してきた結果、各年代ごとのプレイヤーも、上に立つ人間も全て揃い、最近ようやくまとまった組織になってきました。メンバーの経歴は様々で、マネージャークラスも生粋の長野オートメーション育ちもいれば、中途採用者も数年前入社、10年前入社、20年前入社といろいろです。皆ベースになっている経験が違っていて、それぞれがこれまでの経験の集大成として、当社にいるという印象です。転職で来る人にとっては、お客様の幅の広さは気に入ってもらえるポイントのようです。自分の経験したエリアもあるし、経験していないものもあるということで、すぐに貢献できる仕事もあるし、チャレンジできるチャンスもある。そういった点では安心できるのかもしれません。

私自身は18歳までこの上田の地にいて、関西の大学を卒業後、大阪で2つのIT企業で働いて、独立。起業した会社はその後アメリカの会社に譲渡しましたが、体調を崩したのをきっかけに長野に戻り、父の会社を継ぎました。帰ってきて気づいたのは、この会社のやり方はIT系企業と一緒だということ。システム開発をしている会社が何を宣伝しているかというと、「こういうことができるプログラマーがいます」「こんな技術を持った人材がいるので、お客様のご要望のシステムを作れます」ということ。それは、当社と全く一緒なんです。それが分かったタイミングから、「技術的な貢献はできないけれど、IT業界でやってきた経験がそのまま生かせるし、技術者たちのマインドの在り方も想像がつく。それなら自分もここでやれるかな」と考えるようになりました。

会社員時代に自由に仕事をさせてもらったことが今に繋がっている

先ほど話に出た、競合会社から転職してきた社員は外から当社の方針などを見ていて、うらやましかったらしいです。それは多分、自分のやりたいことができるということ。冷静に考えてみれば、やりたいことが全部できる会社なんて、本来は無いでしょうが、当社の場合は技術的な方向性のものであれば、やりたいことをやっていい。もちろん、お客様からの要望に対するものづくりの本来やるべき基本はあります。でも、そこから完全に外れていない限りにおいては、自分の好きなアレンジをして構いません。それが新しいアイデアに繋がれば褒められるし、失敗だったら自分の頭の中を考え直せばいい。それをやらせてもらえるかどうかだと思います。

私自身もIT系企業のサラリーマン時代、そうやってきたので彼らの気持ちが分かる。製薬会社向けにソフトウェアの販売をしていたのですが、会社が作ったものではなくて、私の作ったものを既存商品かのように紹介して販売していた。それでも、アメリカの会社だったおかげもあって、そういった商品開発も自由にでき、会社からも評価されたんです。ですから私はすごく自由にできたし、売り上げもトップでした。会社のルールに縛られた中でしか仕事をできなかったら、つまらなくなっていたと思います。だから、いろいろなことをやってみたいという技術者の気持ちがよく分かる。自分でやることは勉強になるはずで、必ず次につながる。ルールを破ったときは、一応考えてねとは言いますが、勝手にやったからといって、やった内容を評価しないのは間違っていると思います。

人をつくることが、この会社の事業計画である

売上だけでいうと、昨年は50億円でしたが、この会社のポテンシャルとしては倍の100億円はいけると思っています。それを、現在の規模のプラスアルファで、どう実現できるようにするかが課題です。もう一つが利益率で、製造業でも2割にできると思っています。当社の場合、お客様の生産性にしっかり寄与できるものを作れば、高く評価していただける。お客様の満足ポイントを全て満たす仕事が常にできるようになったら、実現できると思っています。

だからといって、数字だけを目指すつもりは全くなくて、一番注力していきたいのは、社員を高いマインドを持つ人間へともっていくこと。人をどうやって作っていくかが、この会社の事業計画です。彼らに自分たちがどれだけ世の中に貢献していて、自分たちの活動によって世の中の誰かの生活が支えられていて、その結果、自分たちもそのモノを使っている、というサイクルの意味合いをもっと理解させることが必要だと思っています。さらに人と人の関係性が、どれだけ事業に影響しているかを理解させること。その啓蒙を続けることで、数字は勝手についてくると考えています。

別の側面の理由としては、当社の仕事は自動化できないんです。自動化機械を作っているけれど、自分たちの仕事は自動化できない(笑)。だからこそ、人を作らないといけない。自分たちの考え方自体が経営につながっている、というところまで社員全員に理解してほしいし、信念として持つところまでいってほしいと思っています。

編集後記

山浦社長の言葉にもある通り、長野オートメーションは自動化・省力化機械を作っているメーカーではあるものの、自分たちの仕事ではできない。という点が言い得て妙ですね。だからこそ、同社の事業発展の礎は“人”が担っている。自動車分野にて、国内でも数社しか製造できないような大型受注を獲得し、大手装置メーカーと張り合うような仕事をやってきた同社には、お客さんの課題に対し、何とか技術で応えようと悪戦苦闘することが習い性になっています。そういった工夫が血となり肉となり、同社の技術力を底支えしてきたと言えるでしょう。こういった風土は「自分の技術力を試したい」「自分の手で世にないものを生み出したい」と考えるエンジニアにとってはまさに理想の環境です。これまでは躊躇があった人にとっても「一歩踏み出してみよう!」と思わせる。エンジニア冥利に尽きる環境である。そんな風に感じさせるインタビューでした。

文:リージョナルスタイル認定チーフコンサルタント 立木 孝俊

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