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ITとモノづくりの両輪で、東北から世界に発信するビジネスを創る。

株式会社ワイヤードビーンズ
代表取締役 三輪 寛

宮城 更新日:2017年12月06日

1968年宮城県生まれ。
2009年株式会社ワイヤードビーンズ設立。『生涯を添い遂げるグラス』2017年グッドデザイン賞ダブル受賞をはじめ、国内外での受賞歴多数。東北大学大学院地域イノベーションプロデューサー塾講師。東北から世界で戦えるIT事業の構築と、日本の職人の技をデザインとITを軸とした仕組みで復興させることを掲げている。
※所属・役職等は取材時点のものです。

東北発の「光る会社」をつくる。

東北で「光る会社」をつくりたい、というのが創業以来の一貫した目標です。その背景には私自身のUターン体験があります。

私は仙台で生まれ育ち、大学卒業後は東京の大手商社系IT企業に就職、東京と上海の2拠点で勤務していました。しかし30歳になるころ、親の体調不良で仙台に戻らざるを得なくなり、とあるIT企業に転職、東北支社を任されることになりました。

東北に戻って感じたのは、地元の人間としてのある種の”寂しさ”です。支社というのはどうしても、東京本社の都合に合わせて仕事をしなければなりません。地域に根差して仕事をするには、やはり東北本社の企業でなければならない。しかし、東北には入社したいと思える光る会社が少ない・・・。東北に光る会社があれば、どれだけの人が希望を持てるだろうか、と考えました。そして、その時にはもう、自分の会社を立ち上げることを決意していました。

ITとモノづくりの2つの事業を世界へ発信。

当社には「IT」と「モノづくり」の、2つの事業の柱があります。

IT事業では、楽天市場やグローバルブランドのeコマース構築パートナーとして開発実績を積み、現在はeコマースの世界最大手であるSalesforce Commerce Cloudの国内ローンチでナンバーワン、またアジア太平洋地域においてもトップランナーとなっています。

またモノづくり事業では、全国の職人の技術を活かした、洗練されたデザインの商品開発と、ITを軸とした「仕組み」を構築することで、職人の技や日本の文化・伝統の価値を再発見してもらうためのD2Cビジネスを展開しています。代表的商品である「生涯を添い遂げるグラス」は、世界のデザイン賞受賞やTV・CMで使用されるなど、国内外で高い評価を頂き、販売量も右肩上がりに伸びています。

ITを社会に対して正しく使っていく。

<p>IT業界は2000年代初頭、マネーゲームの対象となりました。いわゆるITバブルです。私はこの時、一人の人間として強い違和感を覚えました。ITを金儲けの手段ではなく社会に対して正しく使っていく、という思いを強くしたのです。
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『東北に光る会社をつくる』、そして『ITを正しく使う』という、この2つの思いがあったからこそ、自分が創業するとき、理想とする事業ゴールの設定ができたと考えています。そのゴールが「ITを活用した日本の職人技の復興」です。またそれによって金融機関・大学・提携先・取引先・地域経済団体などから幅広い支援をいただくことができ、事業を前に進めてこられたのだと思います。</p>

モノづくりの原点であるバイクレース。

私にはモノづくりについて、ある原点があります。それは学生時代に熱中したバイクレースです。学生時代、私は真剣に世界のレースに出場することを目指していました。バイクの世界にはホンダやヤマハといった日本発の一流バイクメーカーがあって、日本の技術力のすばらしさについて身近に感じていました。

そして、そのバイクにのめりこむ日々のなかで気付かされたことがあります。それは「速い(良い)ものは美しい」ということ。速く走るマシンは例外なく美しいのです。当社は経営においてデザインを最重要視しています。モノづくりで世界を目指すと志向していること、国内最大手のインダストリアルデザイン企業と早期に提携したこと、世界のデザイン賞への取り組み、eコマース構築でのアーキテクチャの正しさ、美しさ。それらすべてに、この体験が間違いなく活かされていると思います。

一人ひとりの採用が経営を変えていっている。

当社の場合、一人ひとりの社員が入るたびに、経営が少しずつ階段を上るように進化していった、という実感があります。ベンチャー企業にとって、大手企業で学んだ人材の加入は非常に大きな転機。本人にとっては何気ない知識やノウハウであっても、それが創業~成長期の会社には、とても大きな力になるのです。

例えば、ある大手メーカーから社員が加入することで、材質・品質管理・量産化・販売の全ての面において水準を上げることができる。それは、その一人によるものということではなく、それまでに採用してきたすべての社員が蓄積してきたことが、一人の採用によってより価値を持つようになる、というイメージです。その繰り返しが会社の成長そのもの。「採用活動」イコール「会社の成長」、と言っても過言ではありません。

東北から、名実ともに世界へ。

2018年3月には新本社オフィスへ移転しました。東北のIT企業では最大級の広さでデザインにもこだわりましたが、社員が働きやすい環境になったと思っています。また2018年8月には、電通のインターネット広告子会社である「電通デジタル」と業務提携しました。電通デジタルのノウハウを活用することで、ECサイトの開発からマーケティングまでのワンストップサービスを顧客に提供することが出来るようになりました。

またこの業務提携に合わせ、電通イノベーションパートナーズが運用する「電通デジタル投資事業有限責任組合」(電通デジタル・ファンド)などを引受先とする、総額9300万円の株式譲渡と第三者割当増資を実施しています。2017年12月には経済産業省が選出する「地域未来牽引企業」に選出して頂きましたが、名実ともに、東北のIT発展の素地は整ってきたと思っています。

ぜひ、東北に帰ってきて、私たちと一緒に世界に変えに行きましょう。

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