採用が経営を変えた瞬間 代表取締役 橋本 公秀氏

仕事の原点は「お客様のために」
という思い。ただそれに尽きる。

株式会社アルプスピアホーム / 代表取締役 橋本 公秀

Vol.39

株式会社アルプスピアホーム
代表取締役 橋本 公秀

長野

1960年生まれ、長野県松本市出身。大学卒業後、建築の現場管理、建築設計、商業施設の企画開発・設計などの仕事に従事。1999年創業、2010年に代表取締役に就任。初年度着工数10棟から毎年棟数を伸ばし続け、昨年度は170棟を達成。「仁を尽くす」という経営理念のもと、理念追求型の経営で注目を集めている。

家づくりを語り、お客様をファン化していく

アルプスピアホームはお客様の手の届く価格で、フル装備の魅力的な家を届けたいというコンセプトで、初代社長と私で創業しました。信州では高気密高断熱の暖かい家が基本なので、そのために必要なベタ基礎やウレタンによる断熱を標準仕様にしたことで、圧倒的に支持され始めました。特に建設関係のプロの方々が、「この金額でこの内容の家ができるのか。自分ならアルプスピアホームで建てる」と認めてくれたことも大きかったです。

 

1年目から毎年順調に棟数を伸ばしていますが、商品が良かっただけではなく、ビジネスモデルが他とは違っていたのではないかと思っています。なぜこの商品を選んだのか、なぜこういう家でなければならないのか、ということを、僕たちは自分たちで考え、そのために会社を興したので“語れる”わけです。ショールームは5分で見て回れるくらい小さいものですが、我々はお客様にそれぞれの商品を選んだ理由、構造の理由、断熱の重要性などを徹底的にお話していく。例えば食洗器がどれほど節水できて、なぜこれから食洗器が世の中で当たり前になっていくのか、といったことを話すんです。すると、お客様は「この人たちは家づくりをちゃんと教えてくれるんだ」と理解してくれて、それが評判になっていきました。「ショールームから始める家づくり」ということで、全国からも注目いただくようになった。自分たちのあり方や家づくりを語りながら、お客様をファン化していくのが当社のビジネスモデルです。

人は人のためにしか働かない。だから納得いくものを売る

まず営業をファン化しないと、営業はお客様をファン化できません。自分が納得していないこと、つまり嘘をお客様に言うのは嫌じゃないですか。営業本人が「アルプスピアホームは本当にすごい。自分が家を建てるとしてもアルプスピアホームだ」と心から思っているから、お客様に薦められるわけです。このスタンスは昔も今も変わっていないですね。もっと簡単に言うと、みんな納得ずくで働いているかどうか。人は悪いことをしたくないですから。これは絶対に役立つと思えば、お客様に売ることができる。正しいと思っていない仕事を社員にやらせたら、やる気がなくなってブレーキがかかります。人というのは、人のためでなければ働かないと、私は思っています。

 

僕らは営業に一切強制はしません。業界では営業に目標棟数をクリアさせるとか、インセンティブ制にするところも多いですが、僕らはしません。常にお客様のために、お客様に後悔しない家づくりをしてほしい、ということが中心です。さらに、営業はお客様を追いかけるものですが、うちは創業以来、お客様に追いかけられている状況だということが、他社とは圧倒的に違う。次々とお客様が来てくださるので、それに応えられるようにしていかなければならない。皆さんに追いかけられて僕らは成長してきました。

 

当社ではお客様の初回来場から資金計画、契約、プランニング、コーディネート、現場着工まで、ひとりが担当します。それもあって、営業ではなくプランナーと呼んでいます。お客様から「他のメーカーは営業から設計、設計からコーディネーター、現場へとバトンタッチされていくので、何度も同じことを伝えなければいけなくなる。それが不満だ」と聞いて、ああ、うちは違うなと思いました。一人何役もするので、確かに大変です。しかし、お客様の家への思いや要望を全て受け止めて仕事をしていますから、やりがいは大きいですね。

常にお客様の立場になって、感謝の心で仁を尽くす

僕は、仕事というのは結局、人に望まれる人になるかどうかだと思っています。つまり、人の役に立つ人かどうか。家づくりの水先案内人としてお客様の思いや不安を受け止め、形にしてあげられる仕事をやり切れる人が、プランナーとして正しい人なのだと思います。社員にもよく話すのですが、クレームだらけでお客様を悲しませることが増えるような成長なら意味がない。規模が大きくなっても、質が変わらず、お客様の役に立てている会社なら良い会社だと。そういうことを誇りに思って、お客様のために、喜んでもらえる仕事をしないとダメだと、僕は思うんです。だから、自分の給料で家族を幸せにしようということだけにしか軸が無い人には、良い仕事はできない。お金は何かをしたことの対価であり、何かとはお客様や仲間のために、自分がいかに役に立ったかということ。それを自分だけの利益を見ていたら、誰が満足した対価でもらったお金なのか、わからなくなってしまいます。それが一番怖いですね。謙虚に、家を建てさせてもらっているという感謝を持ち続けることが大事だと思っています。

 

当社の箍(たが)になっているのは、そうしたお客様に対する思いです。社訓や理念にある「常にお客様の立場になり、感謝の心で仁を尽くす」ということです。お客様からクレームがあったとき、「理念に書いていることは嘘じゃないか、下ろせ」と言われたことがあります。お客様は正しいし、そうやって怒ってくださるお客様に僕らは育てられてきました。クレームシートや契約時のアンケートは、僕も専務も全て目を通しています。何故ならそこにしか答えはないからです。お客様の言葉のなかに、僕らの間違っているところ、正しいところのすべてが入っている。それは確かです。

社員に求めるのは正義感。地域貢献を志す若者に期待

長野県は住宅メーカーが強い土地で、昔は県外にいくと「長野はどうして地元の会社がトップじゃないの。一番地元を知っていて、地元で一番支持されるのは、本来地元の会社でなければいけないのでは?」とよく言われました。そんな中で僕らは、お客様の身近で、お客様の家を守り続ける、本来の地域工務店の在り方を追求していこうと考えました。

 

会社は正しくないと伸びない。人をだますようなビジネスモデルは絶対に伸びません。昔は売ったもの勝ちのような時代がありましたが、そんなことでは社員が嫌になってしまいます。人の役に立ちたいと思っている人たちと仕事したいですし、社員は正義感があって、正しいことをする人でなければと思います。もっと言うと、地域のためになりたいという人が大好きです。いま、地元に貢献したいと話す若者がすごく多い。自分自身は35歳になって、仕事もできるようになってきたとき、培ったものをどこかに置いていきたい、松本市の人の役に立つ仕事をしたいと思いました。中途採用で当社に来てくれている人の中にも、そういう人が多くて、僕の話に共感してくれますね。あとは自分を持っているという点も重視します。例えば専務を採用したときは、自分に無いものを持っているし、聞きにくいこともはっきり聞いてきたり、営業のやり方も今まで会ったことのないタイプで、自分というものを持っているところに魅力を感じました。

採用も仕事も「本気であなたのために頑張ります」という約束

採用をするときは「この人の一生を預かる」という思いで面接しています。社長になった最初の冬、いつも社員を支えてくださっているご家族へクリスマス賞与を出し、その代わりに家庭訪問をさせてもらいました。社員の向こうにいる家族に会ってしまったら、この人たち全員を幸せにしなければいけないという覚悟が生まれました。家族のためにやったはずが、自分のためになりましたね。当時残業が多くて、家族も心配をしているという話を聞いて、何が何でも会社を変えなければと思い、必ず良い会社にしてみせますと約束しました。人材採用も、お客様との関係も、本気であなたのためになりたいという約束をするかどうか。それが自分を育てます。約束したらやるしかないですから。人材採用は、その人がもっと向上して幸せになれる機会をどう与えるか、ということ。だから、住宅づくりと同様に、とても重要な仕事だと思っています。

会社が次の新しいものを受け入れる土壌を作るのが僕の役目

初代によって大きな根っこができ、それを僕が引き継いで、新しい橋本イズムを植え付けてみんなと一緒にやってきました。大事なことは、僕がいつまでもここにすがっているのではなく、会社が新しいものを受け入れる土壌を作ること。僕は社長になったとき、辞める日を決めて役員に話しました。8年やって、60歳で完全退社すると。それをリミットに逆算をして、会社を成長させるために僕の代で何をやるかを考えて、仕掛けてきました。会社は個人ではありません。ひとつの人格だけれど、たくさんの人によってできています。代表が人格の頭を作っているように見えるけど、全体を作っているのは取引業者も含めたスタッフ。僕は僕の役割を果たすだけです。

 

生物がこの世に生を受けた理由は、次の世に自分のDNAを残していくことでしかない。そこでは自分の人生を幸せにしたいとかいうのは、どうでもいいこと。大事なのは自分が受け取ったバトンを次の世代にどう渡すかなんです。だから、自分の人生で一番大事なのは、人のために働くことであり、世の中を良くして死んでいくこと。生を受けた自分のミッションはそれしかない。それが僕の考え方ですね。会社も一緒だと思います。

編集後記

私がコンサルタント職に就く以前から、親族や地元の友人からアルプスピアホーム社の誠実な社風は耳にしていました。採用を支援する立場から社員の方たちや橋本社長の人となりに触れるにつれ、以前から聞いていたことすべてが線で繋がっていく感覚を覚えます。フル装備の住宅ラインナップや独自の営業手法というビジネス的な着眼点の秀逸さ以上に、「正義感をもち、正しいことをする」という思いが今日に至る成長の礎なのだと実感しました。会社を発展させるのは「やり方」以上に「考え方」、「商品」以上に「人」なのだと学ばせて頂いたのと同時に、地元の人間としてこんなに清々しい経営をされている会社があることを誇りに思います。

文:リージョナルスタイル認定コンサルタント 太田 穂積

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