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新しい会社の形を目指して。

株式会社アイキューブドシステムズ
代表取締役 佐々木 勉

福岡 更新日:2017年4月27日

1972年8月4日生まれ 長崎県出身。2001年9月、株式会社アイキューブドシステムズ設立とともに代表取締役就任。趣味はロッククライミング。
※所属や役職、記事内の内容は取材時点のものです。

インターネットが拡がる中、27歳で独立。

小学校の頃にファミコンが大流行しました。その後、就職活動時にWindows 95が発売されるなど、コンピューターへの興味が自然に強くなる時代でした。学校を卒業後にコンピューター業界へ就職しましたが、間もなくi-modeが登場し、パソコンから携帯電話へとインターネットが拡がり始めました。そのときに「これは絶対に世の中が変わる!」と確信し、27歳の時に独立をしました。

もともと、漠然とではありますが、社会に出てからは5年区切りでなにか新しいことをしたいと考えていました。その頃、入社して4年9ヶ月。まだ何の準備もしていなかったので、いろいろ模索しながらの独立でした。

フリーランスから法人へ。

会社を設立しようとは考えていませんでしたので、フリーランスとして独立をしました。会社勤めのときにはできなかったけど、いざ一人になってみると、一人でも受けられるような制約がない仕事をいただけることが多かったからです。それを少しずつやれればいいかなと思っていたのですが、結局は独立から1年も経たないうちに法人を設立し、翌年には社員を雇用し始めることになりました。

やはり一人で仕事をしていると、仕事の幅も限られ、受けられない仕事が出てくるようになりました。このころは、世の中に小規模のSIerが多かったこともあり、仕事のバリエーションもいろいろありました。そのため、その中から自由度が高い仕事をやらせてもらっていました。

「SIerの限界」を感じる。

会社設立から5~6年経った頃、SIerを続けていくことがすごく大変だと感じるようになりました。当時、受託したプロジェクトを複数のフリーランスの方々と協力しながら進めることが多かったのですが、プロジェクトの途中で人がいなくなったりして、頓挫してしまうこともあったんです。そんなこともあって、「ビジネスになるかならないか」ではなく、事業を根本から考える機会が自然と増えていきました。

私たちなりの理解では、当時はインターネットの第2フェーズ。これまでは生産管理などの業務系システムの開発をしていましたが、基幹業務よりも広告、マーケティング系のサービス開発をやろうということになりました。

オープンソースをベースにしてCMSシステムをホスティングするサービスをつくり、アクセスログやGoogleアドワーズ広告の管理を一元化するようなサービスを開発したのです。ここから本格的に自社製品・サービスを作り始めようになっていきました。

これからのテクノロジーのあり方。

テクノロジーの進化により、人々は常になんらかのデバイスを持つ世界になってきています。これからは、持つことさえ意識せず、持つことによって生活や仕事がより豊かになる、制限や無理、負担のない自然な世界をつくりたい、そう考えています。

例えば、まだ少し抽象的な話になりますが、“あえて使えない時間を設定できる”アプリケーションをリリースする予定です。「ワーク・スマート機能」と呼んでいるんですが、アプリケーションを使えなくして、人を“強制的に休ませる”ような考え方ですね。

弊社のお客様はおかげさまで数千社に及ぶのですが、お客様が当社のシステムを使用されている中でこういった人事・労務面への活用をされていて、このサービスを開発する大きなヒントになっています。

私自身も会社を設立してからずっと四六時中仕事して、気付いたときには身も心もボロボロになっていたという経験があります(笑)。特に今は便利なツールも多く、いつでも仕事をできる環境になっていますから、今回リリースするアプリのような考え方を持つようになりました。

会社にとっての転機。

当社における転機は、間違いなく、現取締役の畑中がAppleを辞めて入社してくれたときです。当時まだAppleにいた畑中が「iPhoneのビジネスをやらないか」と提案してくれていました。その後、結局、2年も経たないうちに入社してくれて、一気に私たちの意識がグローバルに向くようになりました。

具体的に言うと、それまでと比べてビジネススケールが一気に5~6倍になりました。畑中も、大きな組織ではなく、自分たち、自分自身で何かやりたいという気持ちがあったのだと思います。

畑中は態度がすごく“偉そう”で(笑)、最初は年上だと思っていたのですが、当時社会人2年目ほどの年下でした。そんな畑中が合流して、一気にメーカーへと舵を切ることになり、会社としての利益構造も大きく変わった瞬間でした。

新しい会社の形を目指して。

これまでも新しい価値を発掘してきましたが、ソフトウェアという形以外でも出来ることがあると思っていますので、これからもっと広く取り組みたいです。それから、もっとグローバルを志向する会社にしていきたいですね。「今日は僕、ブラジルです」「私はギリシャです」みたいな(笑)。そんな新しい会社の形を目指したいです。

これから採用する人は、趣味だったり、仕事以外にも熱心な人がいいですね。私も今、ロッククライミングにハマっています。やっぱり、生活全体、人生を豊かにするための仕事であってほしいですし、仕事以外での学びが仕事にも活かされることも多いと感じています。仕事以外にもしっかりとお金や時間を割き、仕事も遊びも楽しもうとされている方とエネルギッシュに仕事がしたいですね。

編集後記

コンサルタント
植田 将嗣

人とコンピュータ・インターネットの関係性に着目し、その変化に常に最速で先手を打ち続ける同社。地方都市にあるベンチャー企業ながら、Apple、Microsoft、Googleといった業界メジャーと協業できるのも、この企業姿勢と技術力の高さが可能にしているのだと思います。

そんな私の先行する企業イメージに反して、とても穏やかな語り口調で相手に気を遣わせず、時に“天然”を思わせる佐々木社長のお人柄は、多くの人を惹きつけるのだと思いました。

最先端のテクノロジーを追求しながらも、「人間らしくあること」を忘れない佐々木社長。そんな社長が考える近未来に触れさせていただき、私自身もワクワクするような刺激的な時間となりました。

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