採用が経営を変えた瞬間 代表取締役社長 田中利直氏

「お客様のため」を考える日々、
その中で社員も互いに成長していく

株式会社タケショー / 代表取締役社長 田中利直

Vol.5

株式会社タケショー
代表取締役社長 田中利直

新潟

1959年新潟市生まれ。
東京大学卒業後、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。1989年米国コロンビア大学大学院に入学、国際関係学(SIPA)修了。7年間の日本興業銀行勤務を経て、1999年40歳で父の経営する(株)タケショーに入社。2001年より代表取締役社長に就任、現在に至る。

食品業界における購買代理店を目指して

当社は1960年の創業以来、新潟県を中心に食品卸として歩んできましたが、単に商品を販売する代理店から、お客様のために材料の調達や商品開発なども行う購買代理店へと業態を変化させてきました。食品開発のトータルサポート企業として、食品加工メーカー等の新商品について、味の設計、原材料の選定、調達からブレンド調味料の製造までを手がけており、商社でありながらメーカーの顔も持ち合わせているというユニークなスタイルをとっています。


国内で食品の需要そのものは増えていないのですが、「新商品開発」の需要は大きく増えています。商品寿命が短くなっていること、そして季節限定や地域限定品に加え、ハロウィンやイースター、お花見など、イベント限定品も増えていることが背景にあります。さらに農業の6次産業化、流通や小売の独自商品ニーズの高まりもあり、とにかく開発ニーズが高まっているなか、当社はそこに応えられる機能を有していることが強みです。


当社が長年かけて集積してきた、食品や調味料、添加物の情報のなかから、お客様にとってベストな組み合わせを提案するために、社員は各自の担当分野で誰よりも勉強しています。お客様の気持ちになって取り組むスタンスで差別化を図り、選んでいただける存在になろうとしています。

会社のユニークさを中途採用者がオリジナル社員に教えてくれた

当社はいま、このように業態を転換していく時期にあり、それに伴う新しい分野への参入においては、中途採用した社員が大きな力を発揮してくれています。例えば、長く商社として歩んできた我々にとって、製造技術や設備についての技術的蓄積は十分ではありませんでした。このたび完成した新工場の建設計画を進めるうえで、専門知識を持った人材が必要でしたが、プロジェクトの進行過程で豊かな知識と経験を持つ2名が入社してくれ、そのお陰で素晴らしい工場を完成させることができました。設備メーカーとの交渉の際にも頼りになり、よく、あのタイミングで当社に入ってきてくれたと、いまでも不思議に感じています。


同じ食品業界で活躍していた人が当社へ転職するケースもあるのですが、その場合、わが社のユニークさや新規性をよく理解してもらえます。「食品業界でこういうやり方があるのか」とか、「このビジネスモデルは面白いし、将来性がある」と感じてくれるのです。これが当たり前だと思っているオリジナル社員に、それを話してくれることで、皆が自分たちのやっていることの価値に気付ける、ということが起きています。社員の意識を高めることに、大きく貢献してくれていると感じます。

「食の花束」という理念のもとに集まる社員たち

当社は「食の花束」理念というものを掲げていて、これは社員一人ひとりが花の一輪となり、みんなで力を合わせてお客様が望む最高の「食の花束」を作ってお届けしよう、というものです。そこに参画出来ていること、そのなかで役割を担っていることに喜びを感じられるタイプの人に入ってきていただきたいので、新卒採用の時も、中途採用の時も、必ず最初にこの話をします。


他社を経験している方から「もとの会社はどちらかというと個々にパフォーマンスを競わせるようなところがあったけれど、こういう考え方はすごくいいですね」と言っていただけると、私も自信を持つことができます。この理念を掲げることで、同じ思いを共有出来る人に出会えることが、とてもいいことだと思っています。


私は採用活動が大好きで、入社してから15年以上、ずっと先頭に立って会社説明会から最終面接までやってきました。新卒採用のときは「とにかく会社の宝物のような人が来たんだから、全社あげて歓迎しよう」といって迎えてきました。そうすると、指導担当に任命された人は、大切な社員を任されたんだという責任感で、実はその指導担当者自身が一番成長する。それは私も同じで、新入社員を育てることによって、自分も一緒に成長していきたいという気持ちになる。もともと教育者になりたかったというのもあり、人が成長していく姿を見るのが好きなんです。

自立した社員たちは、全体の一部として活躍することの喜びを得る

社員の成長があり、結果として会社が成長していくというのが当然の形です。そのためには、社員が自立した人になっていくことが重要です。一人ひとりが自分の専門分野で、完璧主義を追求して頑張ってもらい、その分野に関しては、社内で最も詳しいんだという状況を目指してもらいます。そして、極めたときには、それを守り続けるのではなく、知識や技術を同僚や後輩に譲って、自分は新しいフィールドへ行く。それが出来て初めて、その人は自立したということになるんですよ、という定義づけをして、社内で共有しています。


ひとつの分野で何かを達成した人は、ものごとの本質を掴んでいるので、全く違う分野に行っても活躍できるはずなんです。逆に、ひとつの分野をやり続けていくと、その地位に依存するようになってしまいます。自立した人たちは、全体の一部として、ひとりの力ではとても出来ないようなことを、みんなで力でやるという驚きを経験し、それが喜びになる。さらに、自分が何かを作って喜ぶのではなく、食の花束を他人にお渡しして、その方が喜んでくれるという一番の喜びを味わえます。


このように自立した人が、周囲と協調し、他者への貢献を喜びとしていくことが、当社の在り方の基本です。才能は、みんなのために使うためにある、というのが我々の考え。そういう意味では、中途採用の人も、一度経験を捨てて、新しいところに飛び込んでやってみます、という踏ん切りをしている人は活躍できる。一度捨てて、新しいフィールドで始めると、昔やったものが生きてくるんですね。私自身がかつて、経験やプライドにこだわって前に進めず、全て捨てた経験があるので、そう言いきれるのだと思います。

海外の国にも、私たちの「食の花束」を手渡したい

今後、当社は全国展開を図り、日本一の購買代理店を目指していきます。そしてもうひとつの夢がグローバル展開です。これも、自分たちのサービスや商品を売る訳ではなく、相手の立場に立ったサポートをしたい。相手というのは、アジア諸国の企業あるいは行政です。いま、農産物を輸出している国も、当然自国に競争力のある食品加工産業が立ち上がることを望んでいます。安心安全でおいしいと言われる、日本の食品加工の一端を担っている当社は、それを支援することができると思います。


こうした考えを訴えかけて、自国の農産品をベースに食品加工業を進めたいという志を持った留学生を採用し、一緒に事業展開していきたいというのが、私の考えるグローバル展開です。現在、ベトナムからの留学生を一人採用していますが、近いうちにこうした夢を実現できたらと思っています。


花束を贈って喜んでいただくためには、相手の立場を考えて、その人のための、世界にひとつの花束を作らなければなりません。仕事というのは、目の前の人のためにやることで相手に喜んでもらい、そうやって社会に貢献し、そこに参画したという喜びによって、自分の存在理由を確認できるものです。


ひとりの力ではとても出来ないようなことを皆の力で作るという驚き、自分がそれを作った一部であることのうれしさ。これからも、そうした喜びを、社員や当社に関わってくださる皆さまと一緒に、たくさん味わっていきたいと思っています。

編集後記

田中社長ご自身が明確なキャリア観や、人生観をお持ちでらっしゃり、お引き合わせをする求職者の方を魅了していく姿を私自身いつも目の前で拝見させて頂いておりました。地方企業では稀有な田中社長ご自身の多様で豊富な人生経験と、今後のタケショー様の将来性はまだまだ今後も優秀な人材を吸引し続けるだろうと強く感じさせる取材となりました。

文:リージョナルスタイル認定チーフコンサルタント 江口 勝彦

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