採用が経営を変えた瞬間 代表取締役会長兼CEO 松田 哲也氏

会社が「戦う集団」になり、
新たな事業の道が拓けた。

株式会社広島マツダ / 代表取締役会長兼CEO 松田 哲也

Vol.1

株式会社広島マツダ
代表取締役会長兼CEO 松田 哲也

広島

1969年2月3日生まれ(46歳)
関西大学法学部卒業。
2005年12月、広島マツダ6代目社長に就任。

2015年12月、代表取締役会長兼CEOに就任。

「地域シェアNO.1」「海外進出」「新規事業」の3つの道を進む。

当社のようなメーカー系列のカーディーラーの場合、販売テリトリーが決まっています。広島マツダが東京や大阪に販路を広げることはできません。国内市場全体が縮小傾向にあり、「クルマに乗らない若者が増えた」とも言われる中、業績を伸ばすにはどうすれば良いか。自社に任された広島というテリトリーでシェアNO.1になるか、海外に打って出るか、全く異なる業種に取り組むか、の3つの道しかありません。そこで当社は、3つとも追いかけようと考えました。

そのために必要だったのが、今までの自社にいない、畑違いの人材です。ウチにいないタイプ、経歴の人物が入ってくることで、社内に化学反応が起きるはず。それが、既存事業のシェアを伸ばし、また新分野へのチャレンジを推進する力になる。そんな見込みと期待を持って、中途採用を始めるようになりました。

正直なところをお伝えすると、中途採用は何かしらの理由で前職を辞めた方を採用するわけなので、「ウチに入ってもまた辞めていくんじゃないか」というネガティブなイメージが強かったのも事実です。しかし実際に面接を進めていくと、彼らは“目の色が違う”ことに気づきました。転職するに至った背景は様々ですが、それぞれがしっかり自分の意志を持っていた。それを肌で感じたことで、今後の事業展開に対して一気に視界が開けたのを今でもよく覚えています。

転職組の「覚悟」が生み出すインパクト。

過去5~6年の間に、複数名の中途採用を実施しました。当社にどういうタイプの人材が不足しているか、どういう人物なら当社に溶け込めそうかという点を吟味して紹介してもらった人物ばかりなので、みんなとても良いインパクトを会社に与えてくれています。

“中途採用一期生”として採用した営業のA君は、入社からわずか5年ですが、既にトップ営業として活躍しています。業界経験があったわけではありません。それでも入社してすぐに業界動向をつかみ、自分の経験を加味して彼なりのやり方を確立してくれています。
彼がそれほどの成長を遂げているのは、やはり「転職組だから」という点が大きいのではないでしょうか。退路を断って来ているわけだから、新しい所で自分の居場所をつくりたい、という覚悟がある。それが原動力になっていると感じます。

海外事業が立ち上がったのは、B君の存在があったからです。実は彼は、社内の情報管理部門、いわゆるICTを任せるつもりで中途採用した人材でした。ICTを任せる中で外国人スタッフとのつながりができ、それがきっかけとなって、ニュージーランドでの新規事業がスタートすることになったのです。
彼は英語ができるので、最初は「通訳代わりに」程度にしか思っていませんでしたが、結果的には事業の立ち上げを任せることになりました。そういう意味では、B君自身が生み出した仕事といっても過言ではありません。当社にとってB君は既に欠かせない存在ですし、B君にしても、今まで以上にエキサイティングな人生を送れるんじゃないでしょうか。

“プロパー社員ゼロ”で始めた新規事業。

『おりづるタワー』事業という新たな試みも始まっています。これは、原爆ドームの近くに保有する自社ビルを、展望台や物産館も併設したテナントオフィスとして生まれ変わらせるプロジェクトです。広島の中心街に位置する利便性に加え、世界遺産の原爆ドームを起点に緑豊かな広島の街を一望できるという長所を持つため、多彩な目的に応じた活用ができるでしょう。

このおりづるタワー事業を進める社員5名の中に、プロパーは一人もいません。すべて転職組で固めました。しかも彼らは、不動産のプロフェッショナルでもありません。小売業出身者、アパレル業出身者といった、広島マツダのDNAを持たず、不動産や観光の業界知識もないメンバーが、試行錯誤しながら新しいプロジェクトを積み上げているのです。

従来だったらこうしたプロジェクトは、外部に委託していたでしょう。しかしメンバーに選ばれた社員たちはみんな「自分たちでやりたい」「素人かもしれないが、全力で取り組みたい」と口を揃えたのです。彼らの心意気を感じ、私も彼らに任せることにしました。

現段階では、彼らの動きは「素晴らしい」と言えるレベル。とても「素人」とは思えません。経営者である私が言うのもおかしいかもしれませんが、「こんなにハイクオリティな仕事が広島マツダでできるのか」と驚いているほどです。安心して彼らに仕事を任せられているおかげで、私は次なる一手、二手を余裕を持って考えられるようになりましたね。

「戦う集団」として次のステージへ。

「広島でシェアNO.1を狙う」「海外に打って出る」「全く異なる業種に取り組む」という3つの道がある、と前述しましたが、中途採用の人材が推進役として活躍してくれているおかげで、いずれの道もメドがついてきました。

中途の人材が入って、社内のマインドも大きくも変わりましたね。例えば私がA君やB君、あるいはおりづるタワーのプロジェクトメンバーに「これを任せたい」と依頼した時、彼らは「えーっ?」と驚いたり、「ちょっと無理です」と尻込みしたりしません。私自身が「この課題は難しいかな」と感じる内容であっても、「わかりました」と気持ち良く取り組んでくれます。社会人経験の中でそれだけの力を培っていることもあるし、そもそも新しい職場で依頼された課題にNOと応えるのは、彼らのプライドや覚悟が許さないのでしょう。

転職組のそういった反応を目の当たりにして、プロパー社員が刺激を受けているのも実感しています。昔は「給料をもらえさえすればいい」と思っていた者がいたかもしれない。でも今やそうした社員は少ないでしょう。

あるいは、プロパー社員中心に組織すれば、いわゆる“家族的な”会社づくりは可能だと思います。しかし、それが悪く影響すると、過去のやり方にとらわれたり、変化に対応スピードが遅れたり、といった保守的な面が出てくるのも現実だと思います。そういう意味では、転職組の能動的な意志が波及して、会社全体が「戦う集団」になったと感じています。

編集後記

約10年前に初めてお会いした頃から人材に対する熱い思いは今と全く変わらなかったと記憶しています。本格的に中途採用に取り組み始められたのは2009年のこと、世の中がリーマンショックの影響で大変なときでした。「今だからこそ、ウチにもいい人材が来てくれるかもしれない」と、逆張りの発想で採用活動に踏み切られました。創業80年を迎える企業の大胆な採用戦略がここからスタートしたのだと、とてもわくわくしました。このたび社長職を後任に託し会長となられ、より一層、人材と新規事業に注力していかれるとのこと。誰にでも社長になるチャンスが開かれた広島マツダを、これらかも応援させていただきたいと思います。

文:リージョナルスタイル認定チーフコンサルタント 植田 将嗣

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